養育費未払8割の異常 子育ての責任果たす制度に 藤原弁護士に聞く〈2023年6月4日号〉

 離婚後に別居した実子に支払う養育費の支払い率(離婚後5年以内)は日本では2割ほどとなっています。諸外国と比較して著しく低い支払い率は「子どもの貧困」の要因のひとつであるともいわれています。裁判所や公証人役場で養育費の取り決めがあったとしても、約束通りに支払われないことも少なくありません。一方、同居親はDVなどがあった場合、報復を恐れて未払いの請求をためらうことも否めません。養育費について家事事件を多く扱う藤原朋弘弁護士に聞きました。

 ー養育費とはどのような性質のものですか。

 藤原 未成年の子が経済的に自立するまでの生活費です。親であるならば当然発生するもので、親権者じゃないからとか、同居していないから支払わなくて良いというものではありません。子どもの育ちにかかわる費用を双方で分担するというものです。

 ー支払い率が2割という現状は驚きです。

 藤原 別居しているのは圧倒的に父親が多く8割を占めていることを前提の話になります。

 別居している方が母親の場合、経済的に困窮していて支払えないということはあるかと思います。

 ただ、困窮していない男性には「お金を取られる」という感覚の人も見受けられます。子どもの育ちを保障する費用と理解されていません。中には「仕事をやらなければ支払わなくてもよい」と仕事を減らす場合も見受けられます。子どもの育ちに夫婦間の葛藤を持ち込むべきではないでしょう。

 また「子どもに自由に面会させてくれないから払わない」という人もいますが、そもそも養育費は面会の対価ではありません。この主張は誤りです。

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