「統一教会はNO!多摩市民連絡会」は5月28日、ジャーナリストの鈴木エイト氏を招いて、講演会を開きました。世界平和統一家庭連合(旧統一協会)の多摩市への進出を阻止するため、市民の有志らによって設立された団体です。会場は約200人の参加者で埋まりました。
統一協会が同市永山7丁目の幹線道路沿いの土地(約6300平方メートル)と建物を購入したのは昨年4月。都立永山高校と国士舘大学に隣接する場所です。
今年3月の市議会で明らかになり、勧誘や高額献金などの反社会的な活動によって「教団に多摩市が支配されるのではないか」と、市民から不安の声が上がりました。市長や大学も懸念を表明しています。
若者を利用し勧誘
鈴木氏は20年以上続けている取材活動を動画なども交えながら紹介。軽妙な語り口に会場からは笑いも起こりました。
きっかけは2002年に渋谷駅で統一協会の勧誘に遭遇したこと。教団の勧誘阻止活動に取り組みました。鈴木氏は深夜までふらふらになりながら勧誘活動を続ける若い信者たちと接し、「信者も被害者だと気が付いた」といいます。被害者が次の被害者を生み、善意で悪事を行う―信者たちはカルト問題の構造に組み込まれていたのです。教団と政治家が体制維持のために選挙活動などに利用したことで、さらに被害は拡大しました。
また、教団からのクレーム対策としてメディアが報道の自主規制を行ったことが、多くの被害者を生み出したと強調、「権力の監視機能の役割を果たせ」と訴えました。