【議会へキックオフ 紹介 新人議員】江東区議 西部(にしべ)ただしさん(31) 「普通に暮らせる社会が理想」〈2023年6月11日号〉

 「応援してくれた、たくさんの人たちに支えられ、やっと実りました。妻や娘にもずいぶんと負担をかけました。本当に感謝しています」。江東区議選(定数44)で初当選した西部ただしさん(31)は、前回区議選(2019年)で惜敗の悔しさを味わっただけに喜びもひとしおです。

本会議初質問を前に「みんなの居場所づくりに取り組みたい」と決意を語る西部さん(日本共産党区議団の控室で)

 4年半前、暴走する安倍政権への怒りから、そして、勇退するそえや良夫区議(当時)の後を受け継ぐため、生まれ育った地元砂町で正社員の職場を辞めての初挑戦でした。「落選が分かった瞬間は頭が真っ白になりました。でも心は折れませんでした。これまでの自分の人生を考えれば、そんなにうまくいくわけがない。次に向けて何が足りなかったかを考えよう」

困窮の子ども時代が原点に

 落選しても「自分らしい人生」と前向きになれたのは、子どもの頃の貧困生活と過労死レベルの長時間労働を強いるブラック企業で働いた経験があったからだったと振り返ります。

 小学生の頃に保育士だった母親が脳腫瘍となり、大手術の末にやっと社会復帰できたと思えば、今度はタクシードライバーの父親が心筋梗塞で倒れました。家計は火の車になりました。

 「親の苦労は分かっていても、子ども心に貧乏が恥ずかしく、親を恨んだこともありました」という西部さんには、高校生の時の忘れられない記憶があります。妹が通う中学校から「滞納した給食費を払わないと卒業させない」と先生から言われたのです。その一言は、今も心のしこりとなっています。

 「今の子どもたちに、そんなつらい思いを絶対にさせたくない」。学校給食費の無償化は必ず実現したい公約として、熱い思いを込めて訴えました。子どもたちから「本当にできるの」との声がかかり、西部さんは「絶対やるよ」と答えました。

 区議選後、江東区は小中学校の完全無償化を10月から実施すると発表しました。「本当にうれしい。4年前は訴えていても実現できる確信が持てなかった。もしかしたら落ちた原因は、それかな」と苦笑します。

関連記事

最近の記事

  1.  生活する上で欠かせない「水」。水といえば水道ですが、上水道を思い浮かべる人がほとんどではないでし…
  2.  総選挙を受けた特別国会が始まります▼衆院選では、自民、公明の連立与党が過半数を割り込みました。与…
  3.  世界中に「戦争の放棄、 戦力の不保持・交戦権の否認」という憲法9条の平和主義の理念を広げ、戦争の…
  4.  築地市場跡地(中央区)の地下で眠る江戸時代の大名庭園「浴恩園よくおんえん」を保存・再生し、子ども…
  5.  民法や戸籍法が同性婚を認めていないのは憲法に違反するとして、東京都などに住む7人が国を訴えた「結…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る