マイナ保険証 患者振り回す再三のエラー 東京歯科保険医協会が会見〈2023年7月23日号〉

 都内の歯科保険医6000人以上が加入する東京歯科保険医協会が14日、メディア懇談会を行い、マイナンバーカード保険証(マイナ保険証)に対応するためのオンライン資格確認で発生しているトラブルについて会見しました。

 同協会には、都内の歯科医師からの相談が多数寄せられています。

会見する坪田有史会長(右)と早坂美都副会長=14日、新宿区

 国保を利用するある患者の資格確認のため、マイナ保険証をカードリーダーで読み取ると、「有効ではない」とエラー表示が出ました。居住区の国保課に問い合わせると、保険証は有効だと言われました。ところが再度カードを読み取るとやはりエラーに。再び国保課に連絡するも「これ以上対応できない。カードリーダーの不備ではないか」と回答が。次はコールセンターへ―。最終的には患者への配慮から、10割ではなく3割を請求しましたが、こうしたマイナ保険証をめぐるトラブルに、医療者も患者も振り回されています。

 同協会が、会員を対象に5月末に行ったアンケート調査では、オンライン資格確認を行っている163の歯科診療所のうち7割が導入後にトラブルがあったと回答しました。「機器のトラブルによりマイナ保険証の読み取りができなかった」が65件で最も多く、「保険者情報が正しく反映されていなかった」が62件と続きます。

 6月29日に政府の社会保障審議会は、マイナ保険証によるオンライン資格確認が行えない場合でも、レセプト請求(国保や健康保険組合などに診療報酬を請求する業務)が可能であるとする対応方針を示しました。

 会見した坪田有史会長は、「方針は苦肉の策であり、そもそも現行の保険証を廃止しなければ起こらない問題だ」と語り、廃止ありきの拙速な政府の対応を批判しました。

 同協会では、現行の保険証だけでも受診できることや、マイナ保険証と一緒に現行保険証も持参することを呼びかけるポスターを作成し、会員歯科医師に活用を促しています。

 また、同協会は厚労省が健康保険証廃止と同時にレセプトのオンライン請求を義務化する方針について、撤回を求めています。歯科診療所の7割が紙や光ディスクで請求をしています。ほとんどの歯科医師は、一人で診療、請求業務を行っているため、高齢の歯科医師はオンライン化に対応しきれず、廃業・閉院の危機に追いやられます。  口腔内を診療する歯科医師は、患者と継続的に濃密な信頼関係を築いて診療を続けています。オンライン対応ができないという理由だけで廃業・閉院を早めることになれば、地域医療の崩壊につながると警鐘を鳴らしました。

東京民報2023年7月23日号より

関連記事

最近の記事

  1.  ユネスコの諮問機関である国際NGOイコモス(国際記念物遺跡会議)が、危機的状況にある文化遺産の保…
  2. 報告集会であいさつする大久保さん(中央)と稲葉さん(左)=13日、港区  厚生労働省が所管す…
  3.  日本共産党の吉良よし子参院議員によるユーチューブの動画番組シリーズ「吉良よし子スタジオ」(きらス…
  4. 都議会 19日に定例会開会  都議会第3回定例会は19日開会します。小池百合子知事は条例案1…
  5. 1面2面3面4面 【1面】 インボイス あらゆる手段で止めよう 小池氏 クリエーターと懇…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#新宿区 は8日、#明治神宮外苑 の再開発事業者が申請した25本の樹木伐採を許可しました。このことに対し市民グループ「#未来に子どもたちの笑顔をつくる神宮外苑を考える会」は12日、新宿区役所前で抗議のスタンディングを行い、約40人が参加。#神宮外苑 をテーマにした #サザンオールスターズ の曲「#Relay ~ #杜の詩」を合唱し、「かけがえのない日本と地域の宝、神宮外苑を壊さないで」と訴えました。
環境省が東京電力福島第1原発事故で発生した汚染土を、#新宿御苑(新宿区内藤町)の花壇で「再生利用」する実証事業を計画している問題で、#日本共産党 議員や住民らは14日、環境省から直近の状況説明を受けるとともに、実証事業を強行しないよう求めました。
政府が10月から導入をねらう「#インボイス(適格請求書)」制度を止めようと、#日本共産党 の #小池晃 参院議員・書記局長とさまざまな分野のクリエーターらが語り合う懇談企画が14日、ネット中継されました。品川区議会で、インボイス延期の請願に取り組んだ「#品川フリーランスの会」が主催したもの。声優やイラストレーター、写真家、演劇人などが、小池氏と語り合いました。
世直し雷大行進実行委員会が10日、インボイス制度の導入の中止・延期、消費税の減税などを求めて、台東区の花川戸公園で集会を行い、国内外の観光客で賑わう浅草寺周辺を約800人がパレードしました。
10月1日の #インボイス 制度開始が目前に迫った4日、インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)とインボイス問題検討・超党派議員連盟が緊急記者会見を共催しました。各政党の国会議員、財務省、国税庁、公正取引委員会の担当者も参加しました。
「希望を語る」―#日本共産党 の衆院比例東京予定候補の #坂井和歌子 さんが、各地での訴えで心がけていることです。同党都委員会常任委員で、#吉良よし子・#山添拓 両参院議員事務所長を務める坂井さん。言葉の原点には、東京の参院選を、市民の勝手連やボランティアとともに戦ってきた体験があります。
ページ上部へ戻る