オスプレイ事故 機体不具合が原因 米海兵隊が報告書〈2023年7月30日号〉

 米海兵隊は21日、2022年6月に米カリフォルニアで発生し5人が死亡した垂直離着陸機MV22オスプレイの墜落事故について、機体の不具合が原因だったとする報告書を公表しました。

 ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)と呼ばれる、エンジンとプロペラをつなぐクラッチが外れるオスプレイ特有の現象が原因。操縦や整備の人為的なミスを否定し、機体の欠陥を認めた形で、きわめて異例です。部品交換により、HCEの発生率を大幅に減少できるとしていますが、構造的な欠陥は放置したままです。

陸自は飛行見合わせ

米海兵隊の報告書受け

 米海兵隊が公表した2022年6月のカリフォルニアでのMV22オスプレイ墜落事故の報告書を受け、防衛省は陸上自衛隊のV22オスプレイの飛行を、当面、見合わせると24日に表明しました。

 事故の原因とされた、動力をプロペラに伝えるクラッチの不具合「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」は、以前からオスプレイの特有の現象として指摘されていたものです。

 事故報告書では、両方のエンジンでHCEが発生したことで、片方のエンジンに不具合が発生。片方のエンジンが止まった際に、機能しているエンジンから両方のプロペラに動力を伝えるシステムも機能不全に陥り、機体が制御不能となったとしています。これらは、「壊滅的かつ予期せぬ機械の故障」で、乗組員や、当日の整備にミスはなかったと結論づけています。

 米空軍は昨年8月、HCEが連続で起きているとして、横田基地などに配備されている空軍仕様のCV22オスプレイを全機、一時的に地上待機させました。また、米軍は今年2月、HCEへの対応として、すべてのオスプレイについて、一定の飛行時間を過ぎたら、部品を交換することを発表しました。

 防衛省は、陸自オスプレイは運用開始から間もないことなどを理由に、対策をとっていませんでした。今回の米側の報告書を受け、安全の確認を完了するまで、飛行を見合わせるとしています。

東京民報2023年7月30日号より

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