日銀の9月の短観(全国企業短期経済観測調査)が2日、発表されました▼企業の景況感を示す業況判断指数は、大企業は、製造業でプラス9、非製造業でプラス27と改善の傾向を示しています。コロナ禍からの経済活動の回復や、円安による海外の観光客の増加などが要因とみられます。中小企業は非製造業はプラス12だったものの、製造業はマイナス5にとどまりました▼円安は、輸出企業や海外観光客の需要には恩恵をもたらすものの、輸入品やエネルギー価格などの高騰が家計の重荷となります。もともと弱い国内の個人消費に、さらなる冷え込みが予想されています▼日々の暮らしに苦しさが増す中、岸田首相は9月25日、10月中に策定を目指す経済対策の骨子を発表しました。「30年にわたって続いてきたコストカット型の経済から歴史的転換を図る」と語っています▼首相の言う「コストカット型」の経済を作ってきたのは、雇用の規制緩和による働かせ方の改悪や、社会保障予算の削減、度重なる消費増税など、自民党政治そのものです。日本共産党は、28日に発表した経済再生プランで、30年に及ぶ経済停滞と暮らしの困難の転換を掲げています。暮らしと経済の展望を開くためにも、政治の根本的な転換が必要です。
東京民報2023年10月8日号より