国立駅前 点字ブロック整備実現へ 視覚障害者の要望実る〈2023年10月22日・29日合併号〉

 視覚障害者が安心して歩けるようにと求めていた、JR国立駅南口から国立市公民館(国立市中)までの切れ目のない点字ブロック(表面にデコボコのあるブロック)の設置が、2025年をめどに実現する見通しです。東京都視覚障害者協会(東視協)が東京都と国立市に要望していました。

永見理夫市長(左端)に申し入れる(右へ)東視協会員と矢部、住友両市 議=8月29日、国立市

 公民館は国立駅から南西に約500メートルの所にあり、大部分が都道。市への要望書では「東京都と協力して該当範囲の整備を進める」よう、市長と市の担当者に求めました(8月29日)。日本共産党の矢部あらた、住友たまみ両市議が同席しました。

 点字ブロックの正式名称は「視覚障害者誘導用ブロック」。足裏の触感覚で認識できるよう突起を表面につけたもので、視覚障害者を安全に誘導するために地面や床面に敷設されているブロック(プレート)のことです。

 この点字ブロックが国立駅と公民館の間のところどころに未設置の箇所があるため、視覚障害者は安心して歩けないのです。

 市側は要望に対し「都への要請や情報提供をできる限り早期に行う」と回答。東視協の会員からは「歩道の点字ブロックだけでなく、横断歩道のエスコートゾーン(車道部分)の整備もお願いしたい」との要望もありました。

都議、市議が連携して要請

 東視協は市の回答を受けて9月14日、都建設局にも日本共産党の矢部市議、原純子都議の同席で同様の要請をしました。当初、「市の管轄範囲が残っているため市と足並みを揃える」(都)、「市の管轄範囲は整備が終わっている」(市)と、都と市の認識が食い違っていました。この点を矢部市議が確認すると「8月の要望書を受けて国立市と調整を行い、駅前から西友(スーパー)までは国立市の管轄と明確になった」との回答がありました。

 都建設局が2025年を目途に予算要望し、点字ブロックに切れ目ができないよう、都と市が足並みを揃えて同時に設置する見通しです。  

 矢部市議は「当事者の方の訴えが力を持った良い例だと思います。市も『直接の声が無ければなかなか把握できなかった』と話していました。もし声をあげてくださらなければ、整備の責任の所在がいつまであいまいなままになっていたか分かりません。国立駅へのホームドアの設置も含め、誰もが暮らしやすい街づくりを実現していきたい」と話しています。

点字ブロックが途切れる公民館前の歩道

東京民報2023年10月22日・29日合併号より

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