立川定時制高校 来年度で募集停止 都教委方針に市民ら抗議〈2023年11月5日号〉

 東京都教育委員会は10月26日、立川高校の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を確認しました。来年10月に正式に決定する予定です。生徒募集が停止されれば、在校生が卒業した時点で廃校となります。この日の委員会には、立川高校定時制同窓会など3団体が集めた約1万2000人分の署名とともに提出された請願が審議されました。存続を求めてきた市民らは強く反発しています。

 都教委は「都立高校改革推進計画」に基づき2016年2月、応募倍率の低下や生徒数の減少などを理由に、小山台、雪谷、江北、立川4校の夜間定時制の廃止方針を決定。存続を求める都民の声や卒業生の署名運動が広がるなか、都は雪谷、江北の2校を廃止しましたが、立川と小山台(品川区)は生徒募集を継続していました。

 立川高校芙蓉会(定時制同窓会)と立川高校定時制の廃校に反対する会は同日、「納得できる説明がないにもかかわらず生徒募集停止を行ったことは、教育環境を改善し、都民の付託に応えるという教育行政の使命を放棄するもの」だとする抗議声明を発表。

 この中で存続を求める主な理由について、同校は150人が在籍し、都内の定時制普通科では最大規模の学校で、多摩地域随一の人気校だとし、今年の1年生は昨年より15人多い39人でスタートしていると指摘。都が同校廃止の代わりに立川地区チャレンジスクール(仮称)を開設して生徒を受け入れることを廃止理由にあげていることに、「チャレンジスクールは不登校中心の生徒を受け入れる学校で、廃止する理由にはならない」と反論しています。

 さらに87年の歴史と伝統を積み重ねてきた同校の在校生やPTA、卒業生、教員OBなどからの存続を願う切実な声に共感が広がり、「定時制を残してほしいというのが地元の世論になっている」と強調しています。

 反対する会事務局の河合美喜夫さんは「立川定時制の募集停止の正式な決定は来年の10月です。募集停止予告の撤回と小山台ともども存続を求める運動に取り組みます。引き続きご支援を」と呼びかけています。

東京民報2023年11月5日号より

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