国主導で血液検査を PFAS汚染 多摩住民団体が国に要請〈2023年11月12日号〉

 人体への有害性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が多摩地域の水道水源の井戸水で検出され、地元住民による自主的な血液検査の結果、高い血中濃度が示されたことを受け、住民団体「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」は10月31日に東京都、11月2日に国へ、大規模な血液検査や汚染源の特定などを求める要請書を手渡しました。

国に要請書を手渡す住民団体の参加者と同席した共産、立憲の各党国会議員=2日、千代田区

 国に対する要請では、日本共産党の宮本徹衆院議員、山添拓参院議員、立憲民主党の末松義規、大河原まさこ両衆院議員が同席。国側からは厚生労働、環境、経済産業、外務、防衛の5省が出席し、要請内容や同会メンバーからの質問に答えました。

 要請書は、▽子どもの成長発達に関する解析と、若者への疫学調査▽規制力のある水質基準値の規定▽全国的な血液検査▽地下水や土壌調査▽PFASを含む泡消火剤を漏出してきた米軍横田基地への立ち入り調査▽過去にPFASを使用した企業・公共施設の調査ーの6項目を求めています。

基地への立ち入り「要請受けて対応」

 PFASの水質基準値について、環境省の担当者は「内閣府の食品安全委員会による評価結果が得られ次第、専門家の意見を聞きながら、科学的知見に基づき水道水中の目標値を検討したい」と形式的な発言。血液検査に関しては、「現時点の知見では、血液検査の結果で健康影響を評価することは困難」と消極的な回答にとどまりました。

 横田基地への立ち入り調査について、防衛省の担当者は「自治体と相談して適切に対応したい」と回答。同会メンバーが「関係自治体の要請があれば調査を求めるのか」と尋ねると、「要請を受けての対応は当然したい」「米軍に対して申し入れることはできる」と答えました。

 発言を受け、同会共同代表の根木山幸夫氏は、「我々の運動で各自治体からの要請を、目に見える形で届けたい」と述べました。

 要請書に対する各省からの回答後、同会メンバーが相次いで訴え。「科学的知見がないというが、疫学調査をすれば知見は得られる」「子どもたちは、親よりも高い体内汚染が起きている場合もある。これが異常値なのかは今の日本では判断できない」など、憤りや悲痛な声が上がりました。

 病院勤務のメンバーは、「PFASに対する様々な不安の声を聞くが、それに対して答えられない。血液検査で高い値が検出されても、どのように暮らしていけばいいのか悩んでいる」「不安を抱える住民がPFAS相談外来を訪れている。血液検査を全国で実施できるよう、国主導で進めてほしい」と訴えました。

東京民報2023年11月12日号より

関連記事

最近の記事

  1.  東京の被爆者団体「一般社団法人東友会」が11月19日、結成65周年の記念式典・祝賀会をKKRホテ…
  2. 英スピテストをめぐり開かれた議連総会と都民集会=11月26日、新宿区  公平・公正性に問題が…
  3. 私学助成署名の活動を報告する教職員と保護者=11月12日、港区  生徒・保護者・教職員の交流…
  4. 東京都への要望をおこなう島しょの町村議ら(左端は藤田都議)=11月21日、新宿区  日本共産…
  5. 新宿区 学校給食4月無償化  新宿区は来年4月から小中学校の給食費を無償化します。吉住健一区…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
#東京都 の #小池百合子 知事が推進する #神宮外苑再開発 計画(新宿区・港区)の事業施行者、#三井不動産 グループ2社が都退職幹部の天下りを9人も受け入れ、事業を所管する都市整備局と深い関係にあることが、取材で明らかになりました。
イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が激化し、民間人への被害が拡大している情勢の中、即時停戦とパレスチナに平和を求めるデモが10日、渋谷区で行われました。
米軍 #横田基地(福生市など)で、発がん性などが指摘される高濃度の有機フッ素化合物(#PFAS)が今年1月に漏れていたと報じられた問題で #日本共産党都議団 は9日、小池百合子都知事あてに全容解明に向けて国や米軍への速やかな対応を申し入れました。
人体への有害性が指摘される有機フッ素化合物(#pfas =ピーファス)が多摩地域の水道水源の井戸水で検出され、地元住民による自主的な血液検査の結果、高い血中濃度が示されたことを受け、住民団体「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」は10月31日に東京都、11月2日に国へ、大規模な血液検査や汚染源の特定などを求める要請書を手渡しました。
ページ上部へ戻る