都議会の「神宮外苑再開発をとめ、自然と歴史・文化を守る議員連盟」(6会派40人が参加)は10月31日、三井不動産など事業者側の見解を検証する学習会、国会の超党派議連との懇談会を議員会館(千代田区)で開きました。
田の上郁子会長(ミライ会議)は「都議会で再開発をただしても、都は『事業者の責任』と繰り返してきた。再開発に伴う土地の権利変換計画をいつ認可するかという中、超党派で情報を共有し課題に向かっていく」とあいさつ。「神宮外苑の自然と歴史・文化を守る国会議員連盟」(国会議連)の船田元・発起人代表(自民党衆院議員)は、「都議会の皆さんと結束でき、反対運動の大きな一歩を踏み出すことができた」とあいさつ。再開発について「献木してできた外苑の歴史と文化を壊すものだ」と述べました。
参加した国会議員、都議が、それぞれの立ち場から発言。「独法であるスポーツ振興センター(JSC)からは、秩父宮ラグビー場の権利変換をめぐる情報は都からは出てこない。都と国の情報を合わせていけば追及できるのではないか」など、再開発を止めるために何が必要か、問題意識を交流しました。
発起人の一人、笠井亮衆院議員(共産党)は「JSCの財産処分の問題を予算委員会で取り上げた。参考人質疑など国政の問題にしていくために国会議連でも話し合っていきたい」と語りました。
司会の尾崎あや子事務局長(共産党)が国会議連への要請として、「秩父宮ラグビー場を持つJSCの財産処分を認めないこと、文化財危機の警告を出したイコモス(ユネスコ諮問機関)と事業者とが話し合う場の設定へ、国会でも取り上げてほしい」と述べました。
日本イコモス国内委員会の石川幹子理事が「徹底検証 ヘリテージ・アラートへの事業者反論」と題して講演。事業者が提出した環境影響調査書の誤りなどを指摘したうえで、再開発事業からの撤退などを求めたイコモスのアラート(警告、9月7日)に対する事業者側の反論(9月29日)に再反論しました。
石川氏は環境影響評価書について、「樹木の本数や樹木、森の全体像も調査しておらず、手法も誤りがある」「極めてずさんで、再審査すべきだ」と強調。都が「手続きは問題がない」と繰り返し主張していることに対し、「目的が間違っている場合、実現に向けての『手続き』は、豊かな社会の実現に向けて、益するところがない」と批判しました。
東京民報2023年11月12日号より