闘いの場は最高裁へ 特定整備路線 連絡会が定例会議〈2023年12月24日号〉

 東京都が交通の円滑化や防災を理由に推し進めている都市計画道路・特定整備路線(28路線・延べ約25キロ)の中止を求める住民らによって結成された、特定整備路線全都連絡会の年内最後となる事務局会議が13日、東京労働会館(豊島区)で開かれました。

 今年、最高裁で判決を下された、北区赤羽西・補助86号線、北区志茂・補助86号線、品川・補助29号線、板橋・補助26号線(ハッピーロード大山)の原告代表が参加。いずれも最高裁への上告を決定し、手続きの進捗や都の事業用地取得状況、地域での活動などを報告しました。

 補助29号線からは、道路問題しながわ連絡会の多田康弘氏と、原告団長の池戸アキコ氏が、11月30日に言い渡された高裁判決について説明。34人が上告します。

 補助26号線は、日本共産党の前板橋区議で、特定整備路線補助26号線を考える会のかなざき文子氏が、上告に向けた署名やチラシづくりへの取り組み、38人が上告することなどを述べました。

 志茂・補助86号線は、志茂一保存会の豊崎満氏が発言。志茂地域は「私道が多く、権利が複雑」「名義変更ができていない土地がある」など、用地取得の難しさを指摘。70人が上告します。

 赤羽西・補助86号線は、くらし・環境・歴史遺産を守る86号線住民の会の柳井真知子氏が、上告する50人と「勝ち負けは関係なく、最後まで抗議する」と、意気込みを語りました。

 86号線をめぐっては、用地買収で高台に建っていたアパートが取り壊され、コンクリートで舗装した更地に、直径1.5メートルほどの穴が空いていることに近隣住民が8月頃に気付いた問題で、都の建設事務所が12月4日、現地で説明会を行ったことを報告。「最初は更地にしたら穴があったと建設局から聞いたが、その後、自分たちで工事をして空けたと言っていた。何が本当なのか分からない」と話しました。

 東京民報が同建設局に問い合わせたところ、雨水を集め、ゆっくりと地中に浸透させるための「釜場」を、2月につくったと答えました。

 赤羽西の整備地域は地下水が複雑に絡んでおり、原告は都が行った浸透流解析(地下水の流れが工事でどのように変化するかを予測する解析)結果を開示請求しています。

住民が気づいた、直径約1.5メートルの穴=北区、住民撮影

東京民報2023年12月24日号より

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