都民の願い実現を可視化 共産党都議団 予算組み替えを提案〈2024年4月7日号〉

 日本共産党都議団は3月22日、東京都の2024年度予算案に対する組み替え案を発表しました。規模は121項目2053億円で、一般会計当初予算案(8兆4530億円)の3.8%です。同党による組み替え提案は、1996年度から毎年度行われ、今回で29回目。26日の予算特別委員会に提出しました。

 「知事が編成した予算案は『経済界ファースト』で、都民に冷たい姿勢が表れている。豊かな財政力を都民の福祉・暮らしを守り、広がる格差を是正するために使うなら、東京から貧困をなくし、地域経済を立て直し、都民生活の質を向上させる巨大な可能性を開く」。都庁で記者会見した白石たみお政策調査会長は、こう強調しました。

 組み替え案に示された施策は、どれも都民から強い要望が出されているものですが、小池都政のもとで実現できていません。組み替え案は、賛成少数で実現はしませんでしたが、都政を変えることで都民生活がどれだけ助かるかを可視化するものとなっています。

 主な内容は▽シルバーパス(70歳以上対象の路線バスと都営交通のフリー乗車証)の無料化と対象交通機関の拡大▽補聴器購入補助の拡充▽都営地下鉄の小児運賃の一律50円化▽学校給食費の全額補助▽多摩地域の保健所の増設検討▽都営住宅の新規建設の再開▽子どもの国民健康保険料(税)の無料化▽ひとり親家庭や障害児がいる家庭の児童育成手当の増額▽35人学級の前倒し実施▽木造住宅の耐震改修補助の予算倍増▽性犯罪・性暴力被害者の支援センター増設▽太陽光パネル性能向上とリサイクル予算の拡充▽横田基地のオスプレイ配備の撤回や騒音・振動による健康被害調査-など(表参照)。

 白石都議は日本橋や築地市場跡地などの大型開発や、住民が反対している大型道路建設などにおよそ1200億円、急成長が見込まれる一部企業の支援に516億円もの予算が計上されていると指摘。組み替え案では、こうした「経済界ファースト」の予算を削除しています(一覧参照)。

 削除した主な予算は▽都庁舎に映像を投影するプロジェクションマッピング事業▽臨海部、築地など住民不在の再開発事業▽羽田空港の機能強化調査費▽住民を追い出す外環道や特定整備路線の事業費▽不公正な中学校スピーキングテスト経費▽化石燃料の延命につながる水素活用経費-などです。

東京民報2024年4月7日号より

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