衆議院法務委員会で3日、子がいる夫婦が離婚後の親権を共同で行使する〝共同親権〟を含む家族法の改正について、参考人の意見陳述が行われました。有識者が午前中と午後に4人ずつ意見を述べ、日本共産党はもとむら伸子議員が質疑しました。
600件以上の離婚やDV被害者の事件を扱ってきた岡村晴美弁護士は、「これまで困難女性支援法、DV防止法改正、性犯罪に関する刑法の改正と3つの女性支援法が改正されたが、DV被害者は受難の時を迎えている」と告発。「DVは暴力のみを指すのではなく、支配であり暴力は手段である」と説明し、「相手(元配偶者)を思うようにできない対立する人が、支配の手段として『共同親権』を強く要望しているのが現状だ」と強調しました。
また北村晴男弁護士は導入賛成の立場から「これまでは単独親権であり、別居親だけでなく別居親の祖父母も会えずさみしい思いをしている。親も子も不幸にする制度だ。こうした片親疎外は問題になっている」と、旧態依然の家制度や科学的に認定されていない片親疎外を持ち出し、DVについては「夫婦喧嘩をDVだと主張する虚偽DVが横行している」として、DVを軽視する姿勢をあらわにしました。
もとむら議員は「子どもの利益の確保、ひとりひとりの最善はどう判断されるのか。子の意思確認はどう考えるか」と岡村弁護士に問いました。岡村氏は「(面会交流計画を含む)養育計画書を作成するとの意見もあるが、子どもを大人の約束事に無理に従わせるようになってしまっては、恨みにつながる可能性がある。子が(別居親に)会いたい時に会うのが良いと思われる。計画と違うとばかりに裁判沙汰を繰り返しては、子の養育の質が下がる」と説明。「子の意思は一度会うだけでは確認にならない。子どもは大人のように理路整然と話せない」と述べました。
さらに「DV事案は共同親権から除外されるというが、一番の問題は話し合いができないケースだ。共同親権に賛成する人はDVを狭くとらえる傾向があり、そこに対する何の手立てもない」と問題点を浮き彫りにしました。
東京民報2024年4月14日号より