運営に先生の裁量ないのに 学研教室 都労委命令で救済せず〈2024年4月21日号〉

「フランチャイズで働く私たちにも人権がある」と訴える学研教室の先生と弁護団ら=11日、千代田区

 学習塾「学研教室」の指導員(先生)ら約200人が加盟する全労連傘下の全国一般労働組合東京地方本部学研教室支部が、フランチャイズ契約を結ぶ学研エデュケーショナルによる労働条件に関する団体交渉拒否の救済を東京都労働委員会(都労委)に申し立てている問題で11日、記者会見が行われました。

 争点は申立者の労働者性が認められるか否かでしたが、この日出された命令は労働者性を認めつつも訴えを棄却するというものでした。

 弁護団は「(多様化する働き方がある中で)『労働組合法上の労働者性』を争ってきた。マニュアルなどが存在しており、認められるであろうと思っていた。顕著な事業者性がないとしながらも、総合的に判断したとして棄却された。なぜこれで申立が棄却なのか」とコメント。

 組合は「都労委は一部の指導者が法人化していることだけを捉えて断じた。法人化している指導者は組合に加盟しておらず、(この問題の)対象ではない」などの声明を発表しました。

 会見で組合員らは「フランチャイズで働く私たちにも人権はあります」と切り出し、「物価の高騰により経費が増加して苦しく、教室をやめる指導者が増加している。事実上のリストラだ」と声をあげました。

 また「学研の教材は素晴らしいし、やりがいもある。子どもたちの指導を途中で放り出してやめるわけにはいきません」、「生活の糧にしようと運営しているのに、家計費から繰り入れして必死に教室を維持している」などの訴えもありました。

 月謝は小学生の国語と算数で月額8000円プラス消費税であり25年間、改定がありません。一方で子どもを取り巻く社会状況の変化の中で、不登校児を受け入れるなどのサポートを担う教室が存在します。

 全国約8500教室の多くがフランチャイズ契約に基づき収入の約4割を納付しており、一方的な納付金の増額や、現場の声が反映されずに進められるICT(インターネットなどを用いたサービス)、その利用料などについて対等に話し合いたいと団体交渉を求めてきました。

東京民報2024年4月21日号より

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