多摩地域 保健所の復活・増設を 広がる賛同158団体に〈2024年5月26日号〉

要請書を都担当者(中央)に渡す会の人たち=17日、都庁

 「多摩地域の保健所増設を求める会」は17日、多摩地域で削減されてきた東京都の保健所について、「コロナ禍の経験から保健所の機能、適切な規模で保健所を増設することは都民の切実な願いだ」として、復活、増設をするよう小池百合子知事宛てに要請しました。昨年11月に続く2回目で、知事要請への賛同団体は前回103から55増え、158団体へと広がりました。要請には日野、三鷹、武蔵野、小金井、福生、府中など各市で運動する市民らが参加。都の保健医療局の担当者が応対しました。

 新型コロナ感染拡大では、身近な地域に保健所がないために住民は様々な困難に直面。保健所業務もひっ迫しました。都が実施した市町村アンケートでも「域内に保健所がある区部等との対応に差が生じた」(武蔵野市)、「至急、保健所との共有や相談、連携が必要な際に、保健所に電話がつながらず、市の対応が増加した」(昭島市)など、切実な声が寄せられています。

 都は保健所の組織体制や業務運営のあり方などを検討する「都保健所のあり方検討会」の報告(23年8月)を受け、「都保健所の体制・機能強化について」という今後の方針を今年1月にまとめました。今年度、保健所職員の一部増員などの措置をとりましたが、保健所増設への言及はありません。

 呼びかけ人の中山和人さんは、「保健所の増設なしに今後のパンデミック(感染爆発)対応が可能と考えているのか」とただしました。参加者からも「西多摩保健所の管轄地域は広く、人口も約40万人で、職員も大変な思いをしている。住民も遠くの保健所には行きにくく、困るのは精神疾患がある人など弱い立場の人だ」などの訴えがありました。

 都の井上俊治地域保健担当部長は「貴重な声をいただいた。次のパンデミック、災害に備え、市町村と連携して対応していく」と述べました。要請には日本共産党の原のり子、尾崎あや子、清水とし子の各都議が同席しました。

 多摩地域の保健所を巡っては、1997年の地域保健法施行を契機に統廃合が進み、多摩地域26市3町1村では現在、都から移管された八王子、町田両市の他に5カ所しかありません。その結果、各区に設置される23区に比べ、1カ所の保健所が管轄する面積は広大となり、人口もほとんどが40万人超となっています。

東京民報2024年5月26日号より

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