三井不動産 公表前から関与濃厚に 外苑再開発 共産党都議団が会見〈2024年7月7日号〉

 多数の樹木を伐採する神宮外苑再開発(新宿区・港区)で、都が都民に公表する以前の段階から、地権者ではない三井不動産を関与させ、都市計画公園区域を削って超高層ビルを建設する準備を進めていたことが分かりました。日本共産党都議団が6月27日、都庁で開いた記者会見で明らかにしました。都はこれまで三井不動産が同計画に関わるのは2015年4月の「神宮外苑地区まちづくりに係わる基本覚書」を取り交わして以降との説明を繰り返しており、小池百合子知事の説明責任が問われます。

新事実を基に会見する共産党都議団=6月27日、都庁

 「都と三井不動産、自民党政治家が文字通り一体となって進めてきたことは明らかだ。都が『都の事業ではない』と言い逃れることは断じて許されない」。原田あきら都議は会見で、こう強調しました。

 今回、会見のきっかけとなったのはNHKの情報番組「首都圏情報ネタドリ!」(4月5日放送)で、「2013年に作成された資料」として、「どこに高層ビルを建設するのか」を検討する文書を紹介したこと。超高層ビル建設を可能にする方法について「(都の)『公園まちづくり制度』という制度がある中で、今回の開発が可能なのではないかと考え、計画提案した」という三井不動産幹部の証言を報じました。

 一方、都が計画への批判が高まる中で、都民への説明資料として作成した「神宮外苑地区におけるまちづくりファクトシート」に掲載された経緯を示す年表の最初は、「平成27(2015)年4月1日 神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書」から始まります。都はまた、都議会答弁でも三井不動産などと基本覚書を結んだ15年4月以前に「三井不動産と協議した記録は見当たらない」(22年11月都議会都市整備委員会)としてきました。

 原田都議は「(番組で)13年の時点で三井不動産が『公園まちづくり制度』を活用して都市計画公園を削除し、高層ビルを建てる計画を主導していたことが明らかになった」と指摘。13年6月に国立競技場の建て替えに向けた地区計画の決定時に、規制を緩和する「再開発等促進区」を外苑地区全体に設定していたことに触れ、「都が三井不動産を計画に引き入れ、都民の目を欺き地区計画を決定した。都の行為は極めて不適切だ」と批判。「小池知事はブラックボックスをすべて明らかにし検証すべきだ」と述べました。

【解説】

深まる疑惑、逃げず説明を

 共産党都議団が入手した開示資料を見ると、12年2月に都幹部が国立競技場の建て替え計画について、萩生田光一衆院議員(当時は元議員)を訪ねて説明した際、同氏が「広いエリアで考える必要がある」と発言しています。この「広いエリア」とは隣接する神宮外苑を指すとみられ、都幹部は「検討作業の方向を確認」していると応じています(年表参照)。

 その3カ月後、都幹部が神宮外苑再整備の説明に森喜朗元首相を訪ねた際には、「隣接する明治公園も敷地に使い、(高さ等の)規制緩和が可能」と報告。五輪招致が失敗したらどうするとの質問に、都幹部は「神宮外苑全体の整備は進める」「都市計画変更の調整は全体の再整備を前提に進める」と答え、「すばらしいよ。あと15年は長生きしないと」と、森氏が大喜びする生々しい記録も残されています。

 ところが11年9月の都の公文書では、「公園まちづくり制度」活用の前提となる「再開発等促進区」の適用について、国の指針改定が必要で「ハードルが高い」との認識を示していたのです。わずか8カ月ほどの間に、一転しました。

 原田都議は、その間に都の公文書に初めて登場した「公園まちづくり制度」(「都市計画公園・緑地の整備方針」11年12月)と、「再開発等促進区」の神宮外苑地区への活用が適切とした「霞ケ丘町周辺地区まちづくり業務検討報告書」(11年3月)に注目しました。

 「公園まちづくり制度」を活用するのは「再開発等促進区」に限られます。三井不動産の幹部はNHKの番組内で「公園まちづくり制度があるという中で、今回の開発が可能ではないかということを考えて、計画を提案して、今回に至ってるという認識です」と証言しました。

 はからずも、この証言で超高層ビル2棟など、これまで不可能だった都市公園内での高層建設などを可能にした制度設計は、2015年4月の2~3年も以前に、すでに都と自民党政治家、事業者の間で、こっそりと進められ、そこに三井不動産が関わっていた疑惑が深まったのです。

 7日は都知事選の投票日です。神宮外苑再開発の問題は大争点です。小池知事には、三井不動産の政治資金パーティー券の購入など「政治とカネ」の問題も含め、有権者の前で説明責任を果たす責任があります。

東京民報2024年7月7日号より

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