
小池百合子知事が強行する神宮外苑(新宿区、港区)の再開発が、都知事選の大争点に浮上するなか、緑や広い空など公共の財産をどう守るかについてみんなで考えようと、「0707GOVOTE!SAVE神宮外苑ミーティング」が6月29日、同地の絵画館前広場で開かれました。大勢の参加者がグループに分かれ、初対面同士の人を含めて、輪になって話し合いました。
「神宮外苑再開発で東京都初の都民投票を実施する」との新公約を掲げた蓮舫候補が飛び入り参加。「再開発はいったん立ち止まるべきです。都民の声を聞いて民意を背中に受けて事業者と話す。新しい東京版民主主義を、ここ神宮外苑でやりたい」と訴えると大きな拍手と、蓮舫コールが湧きました。
呼びかけ人の一人、斎藤幸平・東大准教授は「(開発が)お金儲けのためだけになっているのなら、しっかりノーを言うことが日本、東京の未来のためになる」と強調。クリエーターのいとうせいこうさんが寄せた詩が代読されました。
民主主義を問う
同じく呼びかけ人の経営コンサルタントのロッシェル・カップさんは「市民が知らないうちに計画ができあがった。民主主義の問題です」、ネットで情報発信する角井典子さんは「小池知事は、再開発は民間事業だからと言うが、都が発案し都知事が認可したからこそ実施された。責任逃れだ」と訴えました。
ステージには建築家の竹内昌義さん、北山恒さん、作詞家の松山猛さん、ミュージシャンのサエキけんぞうさん、タレントのラサール石井さんら各界の著名人も登壇。石井さんは「三井不動産はここを開発して次の百年を守ると言うが、だったらこれまでの百年を、これから百年守ればいい」と語気を強め、拍手喝采を受けました。
コーディネーターを務めた杉並区の岸本聡子区長は「私たちが動く、政治が変わる」と書かれたポスターを肩から提げて登場。「民主主義、都市開発のあり方、その根源を問うのが外苑(再開発問題)。いま政治が動く時、そのことをどう広げられるかをともに考えたい」と呼びかけました。
東京民報2024年7月7日号より