豊島区民の女性4人が立ち上げた任意団体「ミュニシパリズム(住民の主体的参加に基づく自治的民主主義)としま」が14日、「ジェンダーギャップとまちづくり~なぜ『男』だけでまちづくりをするのか?~」をテーマにした「第1回としままちづくりFゼミ」を、区内で開きました。
雑誌『建築ジャーナル』の編集長・西川直子氏が講演。まちづくりの変貌を解説し、都市計画や地域計画、建築計画、防災計画など、女性参画の現状について語りました。
西川氏は、本来のまちづくりは「住民からの発意があり、行政が支えるもの」であったが、90年代から2000年代に入り、「都市をいじるのが日本の産業になった」と指摘。地域がまちづくりを進めるための組織「まちづくり協議会」や、町内会の役員に女性が少ないことなどを問題視しました。
神宮外苑の再開発問題は、有志6人の取り組みが計画の見直しを求める大きな運動につながった経緯から、「少数から物事は進む。おかしいと思ったら、数人でも始めてよい」と強調。賛否に関わらず、まずは「知り」、「学ぶ」ことの重要性を説き、「ごく限定的な層の人たちが協議会、懇談会、検討会などの決定権を握っている」うえ、地域によっては委員の名前が明かされず、傍聴もできない状況があり、「そこから開いていくことが大事」だと述べました。
グループディスカッションでは、「町内会で女性は下っ端の仕事をさせられる」「女性などで第2の町内会をつくるのはどうか」「いろいろな審議会を傍聴し、終了後に審議委員をつかまえて質問するなど、コミュニケーションをとった。対面で話す方法もある」など、多く意見が上がりました。
東京民報2024年7月21日号より