立憲民主党の新代表に野田佳彦元首相が選出されました。近づく総選挙へ、「自民、公明両党の議席を過半数割れに追い込む」と決意を語りました▼同党の代表選では、自民公明政権への強い批判が国民のなかに広がる中で、政権交代が有権者の選択肢に入るための「現実路線」の名のもと、政策を現政権寄りにシフトさせる動きが目立ちました。党内保守派の代表格と見なされる野田氏が、新代表に選ばれたことも、その象徴です▼野田氏は、「原発ゼロ」を「原発に依存しない社会」と言い換えたり、過去に同党が掲げた消費税の5%への減税の公約も封印しました。野田氏以外の候補からも、日本共産党との政権合意を否定し、自公政権に協力姿勢をとっている、日本維新の会や国民民主党との連携を模索する発言が相次ぎました▼野田氏は、安保法制についても、違憲だとしつつ、「すぐに廃止するのは難しい」と発言しています。安保法制の廃止は、市民と野党の共闘の原点であるとともに、岸田政権が現に進めている大軍拡路線の出発点ともなっていて、政治の熱い焦点です▼市民と野党の共闘が目指してきたのは、自民党政治を大本から変えること。その実現は、政治の根本的転換を掲げきた、日本共産党が伸びてこそ、です。
東京民報2024年9月29日号より