崩壊した大深度の安全神話 共産党  使用法廃止の法案提出〈2024年10月20日号〉

 日本共産党国会議員団の「リニア問題プロジェクトチーム」は3日、国会内(千代田区)で、「大深度地下使用法廃止法案(大深度地下の公共的使用に関する特別措置法の廃止に関する措置等に関する法律案)」を参議院に提出しました(概要は表)。山添拓、倉林明子、井上哲士の各参院議員が、小林史武参院事務総長に手渡しました。

法案を提出する(右から)井上、倉林、山添の各氏=2024年10月3日、千代田区

 大深度地下使用法は、地下40メートル以深の大深度地下は「通常利用されない空間」であり、「地上に影響を及ぼす可能性は低い」などの理由を前提に、地上の地権者の了承なしに公共的使用を可能にした法律。2000年の通常国会で、同党を除く他党の賛成により成立(翌01年施行)しました。この法律により、事業者は地権者の同意を取る必要がなく、補償もしないままに、トンネル工事が施工できます。

 同党は法案の審議などで、国がリニア中央新幹線(品川―名古屋間)や、東京外かく環状道路(外環道)の建設を見込んで制度化を目指していること、十分な科学的、民主的な調査研究をしないまま事業推進を強行しようとしていること、認可手続きに土地所有者の意見が反映される保証がないことなどから、反対の姿勢を示してきました。

 事実、20年10月に、外環道のトンネル工事により調布市で陥没事故が起き、空洞化も発生。トンネル工事に用いられる、シールドマシン(掘削機)の故障も多発。今年8月には、リニア中央新幹線事業で地下トンネル工事(調査掘進)が進む北品川工区(品川区)近くの目黒川から気泡が発生し、同工事の影響が疑われています。

 外環道やリニア建設工事のルート周辺住民からは、不安の声が相次ぎ、工事の中止や大深度地下使用法の違法性を訴える裁判が続いています。

 22年2月には、東京地裁が外環道のトンネル工事について、シールド工法による地下トンネル工事は「具体的な再発防止策が示されていない」と判断し、一部工事の危険性、違法性を認め、工事の差し止めを命じる決定を出しました。

 同党は、「大深度地下トンネル工事の『安全神話』は崩壊したのであり、地権者や住民の安全・安心に生活する権利を侵害し、補償も必要ないとする大深度地下使用法は廃止する以外にない」と、廃止法案提出の理由を表明しました。

東京民報2024年10月20日号より

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