そうそうたる顔ぶれで3氏 赤旗囲碁東京大会〈2024年11月3日号〉

 第59回しんぶん赤旗囲碁・将棋全国大会にむけた東京都大会が、10月12、13の両日、豊島区の日本共産党東京都委員会事務所で開かれました。

 このうち12日に開催された囲碁東京都大会は、石田章・日本棋院九段を審判長に迎えて、地区大会を勝ち上がった選手と昨年の上位入賞選手など総勢50人が出場しました。

 大会は昨年同様、出場選手を3つのトーナメントに分け、各組の優勝者が全国大会の出場資格を得る、全国大会出場者決定戦として争われました。出場したのは過去の赤旗全国大会優勝者、アマチュア棋戦の優勝経験者などに加え高い棋力を誇る小中学生などそうそうたる顔ぶれとなりました。各組ベスト8以上の対戦は、別図のとおりです。全国大会出場者は各組優勝の福嶌秀渉、斉藤文也、島田豪の3選手です。

 3組の決勝戦のうちC組は学生囲碁十傑に名を連ねたことのある島田豪さんと、中学生で決勝戦に進出した刈谷研さんの対戦となりました。黒番の刈谷さんも積極的に挑みましたが、最後は白番島田さんが手厚く打ち中押し勝ちとなりました(棋譜1 記録は湯浅英之さん)。

 B組決勝は、昨年の全国大会で4位入賞となった斉藤文也さんと、渋谷尚己さんの一戦。この対局の記録係を務めた中山貴美子さんの観戦記を紹介します(棋譜2)。

 私もこちらの大会へ対局者として参加しており、縁あって棋譜取り、決勝戦の棋譜の観戦記を記載させていただく運びとなった。

 黒斉藤文也、白渋谷尚己。持ち時間20分30秒秒読み1回と、比較的早碁の対局である。

 黒が左上と上辺の白石の切りをにらみながら厳しく攻めた一局のようだった。対局の中盤にて両者とも時間を使い切り、秒読みに入っていった。慎重に手を読んでいく姿勢には、見習いたいものがある。勝敗を分けたのは、左上の白石が122と二眼のみの生き方にされ、黒123と白7子を切断されたところのようにみえる。左上白石がまだ生きていないとの主張のもと、黒攻めによる両者の攻防が繰り広げられた。対局後の検討にて、白の目を豊かにする為にも、「白36の時に2ー五と打つのが良かった」と声があがった。後にAIにかけてみると、36のときに、2―五の方がやはり好手のようだった。実戦のように黒43、45手と目を奪いにいきながら、実利をとられる手が残っているためだろうか。興味深いことに、黒43を打つまでAIの候補手に黒43の2ー五をお勧めされたのである。43以外だと、右下の17ー十三と白の中に打ち込むのも候補手に挙がった。急所はもちろんあるが、盤上を広く見ると、好手は意外な場所にもあったりもする。そんなことを思いださせてくれる一局に感じた。(中山貴美子)

東京民報2024年11月3日号より

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