総選挙を受けた特別国会が始まります▼衆院選では、自民、公明の連立与党が過半数を割り込みました。与野党ともに過半数の勢力を持たない議会は、「ハング・パーラメント」(宙づり議会)と呼ばれ、キャスティングボードを握る少数政党の発言力が増すなど、政治の流動化につながります▼総選挙後の世論調査では、自民公明政権の継続を望まない人が53%を占めています(共同通信)。自民党は国民民主党に協力を求めるなど多数派工作に必死なものの、民意が石破政権の延命を望んでいないことは明確です▼ハング・パーラメントは、比例代表中心の選挙制度など多党制の国会構成の国では普通のことですが、第一党が過半数を占めることが多い小選挙区制度中心の国では珍しい状況です。戦後、自民党が長期に政権を維持してきた日本で実現するのも、極めて異例です▼政党の組み合わせによっては、与党以外でも衆議院の過半数を得られることは、国民世論の後押しを受けた法案が、状況によって可決される余地があることを示します。衆院選では各党の多くの候補が、高等教育無償化や企業・団体献金禁止、選択的夫婦別姓などを掲げました。声と運動が、国民の願い実現の道を開く、新たな政治状況の始まりです。
東京民報2024年11月10日号より