「区民参加予算」に手応え 杉並区 岸本区長が会見〈2024年11月24日号〉

 杉並区の岸本聡子区長は12日、区議会の第4回定例会(19日開会)を前にした記者会見で、公約でもある「区民参加型予算」で施策を選ぶ区民投票が、昨年度より約600人多い3200人の投票があったと明らかにしました。岸本区長は「区民のアイディアが予算化される事業は、確実に浸透してきている」と、手応えを語りました。

区政課題について説明する岸本区長=2024年11月12日、杉並区

 「区民参加型予算」は、区民の提案を予算に反映するもので、今年度は防災に関する施策で区民から提案のあった10事業をインターネットなどによる区民投票で3つに絞ります。予算総額は6000万円で、来年度予算に盛り込みます。

 また岸本区長は、同性パートナーが住民票の続柄表記を巡って不平等な状況に置かれている問題で▽事実婚と同様の給付やサービスが受けられるよう各種制度の改正▽住民票の表記について同性パートナーの関係を適切に反映した新たな表記の設定の検討、実施―を他自治体と連携して国に求めていくとしました。

 中野、世田谷両区は11月1日から都内自治体で初めて事実婚と同じ「夫(未届)」や「妻(未届)」と記載できるようにしました。同性カップルは、異性の事実婚と同等の社会保障などの権利を得られていません。

 岸本区長は「誰もが等しくサービスを享受することができる社会に近づくために、自治体としてできることを追求していく」と表明しました。

 この日、定例区議会に提出する、一般会計補正予算案(総額約10億9728万円)について説明。夏休みや冬休み中の学童クラブへの配食サービスを来夏から導入するための経費や子どもの居場所の充実、残置された釘などによる事故防止のために小中学校の校庭・庭園の表面を調査し撤去する費用などを盛り込みました。

ふるさと納税で53億円余が流出

 「ふるさと納税返礼品」の拡充による区の魅力を発信する返礼品の拡充にも取り組みます。同区では同制度による税の流出が2024年度で約53億円に上る一方、受入額が約2000万円にとどまっています。

 岸本区長は同制度の見直しを求める立場ですが、「この制度がある以上、区の魅力を発信する機会としてとらえ、区内の事業者や区民と協力しながら区の魅力発信をしていきたい」と強調。杉並区には12月に開園する「荻外荘公園」やアニメ産業など文化や歴史の多様な魅力があるとし、「体験型を含めた良い企画をつくっていきたい」と意欲を示しました。

東京民報2024年11月24日号より

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