黎明期パソコンの〝美学〟『コンピュータ ノスタルジア』著者インタビュー・長澤 均さん〈2024年11月24日号〉

 極端な独創性と革新的なセンスが根強い支持を集める、服飾史家でグラフィックデザイナーの長澤均氏。『倒錯の都市ベルリン 1918‐1945~ワイマール文化からナチズムの霊的熱狂へ』(1986年)を初作に、『BIBA スウィンギン・ロンドン 1965‐1974』(06年)、『流行服~洒落者たちの栄光と没落の700年』(14年)など、多面にわたる書籍を執筆から編集、デザインまで手掛ける長澤氏が10冊目に出版した新刊は、70~80年代に登場した国内外のパソコンを〝美学〟で再評価する『コンピュータ ノスタルジア~デザインで見る黎明期のパーソナル・コンピュータ』(共著:テクノタク飯塚、スタンダーズ社発行)。ページをめくるだけでも壮観で心が躍る新刊について、話を聞きました。

長澤均(ながさわ・ひとし)1956年3月30日生まれ。埼玉県出身。服飾史家、グラフィックデザイナー。オンライン古書店mondo modern運営者。1981年にカルチャー雑誌『papier colle(パピエ・コレ)』を創刊し、同名のデザイン事務所を設立。美術展の宣材、装幀、CDジャケットのデザイン、執筆など、活動は多岐にわたる
デザインと物語で

 ―70~80年代に出現した、海外、国内、アップルの希少なコンピュータを計58機種も掲載。すべてデザイン性でセレクトしたとか。

 僕の〝美学〟で、デザイン性が高く、ルックス的におもしろい機種をセレクトしました。もちろん、背景にある開発者の衰退や企業の対立など、スペックではなく、忘却された歴史も掘り起こし、物語として語れる機種を優先しています。

 リアルに知る世代だけでなく、現代のミニマム(極限まで装飾をそぎ落とす意)でシャープなパソコンのデザインしか知らない世代に、「かわいい!へんなカタチ!」と視覚的に楽しんでもらいながら、読んでいただければと。

PET 2001(1977年、コモドール)「探していたらタダでもらってほしいと連絡があった。データに関しては部外秘でと、スパイ映画のようだったが、一度も起動したことがない」(長澤)

 ―掲載した機種の多くは、自身がコレクションされていたものですよね。

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