外苑再開発 移植木も移植先もダメージ 専門家視察「木の尊厳台無し」〈2024年12月1日号〉

 三井不動産や明治神宮による神宮外苑(新宿・港区)の再開発計画で、貴重な樹木の伐採や移植が強行される中、環境植栽学が専門の藤井英二郎・千葉大学名誉教授が11月22日、移植された樹木を視察しました。藤井氏は視察後、移植は移植木にも移植先の既存木にもダメージが大きいとし、「伐採を減らして移植を増やせば心理的な負のイメージを軽減できると思ったのだろうが、木には尊厳がある。それを台無しにするようなことをしてはいけない」と強調しました。

移植木を視察する藤井氏(右から2人目)と原田都議(右端)=2024年11月22日、新宿区

 視察は日本共産党都議団の要請で実現。藤井氏は、原田あきら都議や再開発による樹林や文化財の破壊に反対する市民グループの関係者らとともに移植地を見て回りました。本移植先の一つ、かんべいえのきエリアでは100年かけて太く成長した木々が生い茂る樹林の隙間に、真新しい緑色のネットで囲まれ、支柱で支えられたヒトツバタゴ、スダジイなどが移植されていました。

 藤井氏は「もともとは広々としたところに茂る木を考えていたはずで、切り詰めせん定や樹形を小さく抑制するようなことは想定してなかったはずです。現状には管理の課題があるが、そこにさらに上乗せするように移植木を入れ込んでいくのは本来の姿ではない」と指摘しました。

 その上で、「この空間は文化財としても意味ある重要な空間です。100年前の宝物を台無しにするようなことを今の人間がやってはいけない。再開発自体が大きな課題を抱えているということだ」と述べました。

 原田都議は「移植された現場を初めて専門家に見てもらったことは重要な機会だった。移植された樹木が移植先で生きていけないというだけでなく、移植された先の森も破壊すると指摘されて重大な問題だと感じた。今すぐにでも移植は止めさせたい」と話しました。

 事業者は9月9日に発表した計画見直し案で、3メートル以上の樹木の伐採について当初計画の743本から619本に124本減らし、保存樹木は886本から964本に78本増やしたと強調。このうち242本は移植による保存としました。

 専門家からは「『緑の質』に関する検討が欠落している」(日本イコモス国内委員会)などの指摘がされていましたが、事業者は10月28日から樹木の移植・伐採作業を強行しています。

東京民報2024年12月1日号より

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