「自民党こそが国民に一番近い。そう分かっていただける努力を」―9日の自民党大会で演説した、石破茂首相の言葉です▼その石破首相に、国民の感覚から、かけ離れた問題が浮上しました。昨年秋の衆院選で初当選した15人の同党議員に、10万円相当の商品券を配ったというものです。3日夜に首相公邸で開いた懇談会に伴うもので、食費も首相側が負担したといいます。商品券は、各議員の事務所に届け、領収書の発行も求めなかったといいます。政治資金収支報告書に記載しない形で資金を配る、典型的な「裏金」です▼首相は、私的な会合で、ポケットマネーで配ったので、問題ないという立場です。しかし、首相の他に、官房長官や副官房長官が同席して自民党議員と首相公邸で会合を持ったのを政治活動と言わないなら、何を政治活動と呼ぶのでしょうか▼その後、撤回しましたが、自民党議員からは、こうした商品券のやり取りが慣例だったとの発言も出ています。自民党の「裏金」まみれの金権体質が、改めて明らかになりました▼党大会で首相は、自民党は「勇気と真心を持って真実を語る」政党だとも訴えました。自民党が「真実を語る」なら、まずは次々と浮上する「裏金」問題の真相の説明から、でしょう。
東京民報2025年3月23日号より