アジアの作品を束ねて 5月11日にコンサート 【寄稿】松野迅〈2025年4月20日号〉

 ヴァイオリニストの松野迅さんが、5月11日(日)にけやきホール(渋谷区上原3)でコンサートを開きます。松野さんに寄稿してもらいました。

◇

 西洋で誕生した楽器で、アジアの作品のみを演奏するコンサートです。日本、中国、タイランドの作曲家による作品を束ねてみました。

 どのようにお聴き頂きたいか…の「トリセツ」を記させて頂きます。

松野迅さん

 西洋音楽の楽器~ヴァイオリンやピアノなどは、透明感のある音色が追及されてきた楽器です。ところが東洋の楽器は、ひとつの音に入魂し、複雑多岐な音色を醸し出すことができ、西洋の楽器とは性格的に真逆です。プログラムには、これらの両面がない交ぜになった作品が並んでいます。

 また東洋の音楽は、西洋音楽で用いる「音階」で仕切ることはできません。西洋音階の半音よりもさらに狭い音程感覚(間隔)が求められます。さらに、音から音へ音程を滑らしたり、無音時間を充分に取ったり、かすれた音を味わったり…と、時空の感じ方も大きく異なります。背景を色彩で埋める西洋絵画に対する水墨画のような違い、ともいえるでしょう。その濃度や趣向、演奏法などをお楽しみください。

 日本の作品からは、治安維持法により四度にわたり投獄された吉田隆子の作品、本年生誕一〇〇周年を迎える労働者作曲家・荒木栄に因んだ「荒木栄の思い出」、そして広島に伝わる民謡をモティーフにした「廣島のうた~手毬唄」などをプログラミングしています。

 お耳のスイッチを切り替えてお過ごし頂けますように。

◇

 問い合わせは、090(7107)6661松野迅後援会

東京民報2025年4月20日号より

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