空襲被害に国は向き合って 戦後80年を救済の機会に 全国空襲連 黒岩哲彦弁護士に聞く〈2025年8月3日号〉

 戦後80年目の8月を迎えるなか、超党派で検討が進められてきた民間の空襲被害者の救済法案をこの節目の年にこそ成立させようと、当事者らが運動を進めています。一切の救済がされてこなかった被害者は高齢化し、残された猶予はわずかです。法案をめぐる現状を、「全国空襲被害者連絡協議会」運営委員長の黒岩哲彦弁護士に聞きました。

―救済法の制定を求める取り組みは、どこまで進んでいますか。

 今年6月19日の超党派の空襲議連の総会で、「特定空襲等被害者に対する一時金の支給等に関する法律案」の最終稿がついに確認されました。

 これまでは法案の要綱などはつくられてきましたが、法律の文案までまとまったのは、画期的です。戦後80年の年に何としても法律を成立させようという議連の強い決意のあらわれです。

秋の臨時国会で何としても法案の可決をと話す黒岩さん

 立憲民主党など野党各党は正式な党内手続きも終えています。自民党と公明党は、与党内の議員らの積極的な働きかけもありますが、賛成を得るには至っていません。しかし、私たちはあきらめていません。

 何としても秋の臨時国会では、この法律案を可決できるよう取り組んでいきます。

受忍論を前文で

 ―法律案の特徴は。

 まず、前文(別項)が大切な中身を含んでいます。

 長い期間にわたって、民間の空襲被害の救済が進まなかった理由は、「戦争という非常事態のなかでは、すべての国民が被害を受忍(耐え忍び我慢すること)すべきだ」という「受忍論」を国が唱えてきたからです。

 前文は、そのことを明記し、空襲による多大な労苦を余儀なくされた犠牲者がいること、その救済の取り組みがされてこなかったこと、そして、戦後80年を迎えるにあたって、その労苦を慰謝(なぐさめること)するとしたうえで、国として被害の実態を明らかにし、追悼の意を表すると述べています。

 ―具体的な救済方法は。

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