退去時トラブル防ぐには 弁護士「都が条例もとに徹底を」〈2025年11月2日号〉

 東京23区を中心に家賃の引き上げが続き、民間賃貸サイト調べでは今年1月のデータで「シングル向き、ファミリー向き、いずれも1割以上上昇し、過去最高賃料を更新」という状況です。一方で一人暮らし用の物件を中心に敷金・礼金のない「ゼロゼロ物件」の台頭や、退去時のトラブルも後を経ちません。新入学を見据えた賃貸住宅の商戦は年末から始まります。賃貸借契約問題に詳しい大竹寿幸弁護士に話を聞きました。

 大竹弁護士は「成人年齢が18歳とされたために、高校生が契約したとしても責任が問われる。自分が誰(貸主)とどのような契約を結ぶのか、よく分からないうちに印鑑を押さないことが大事」と警鐘を鳴らします。

大竹弁護士

 東京都では2004年策定で、一般的に「東京ルール」と呼ばれるガイドライン(賃貸住宅紛争防止条例)が存在します。不動産会社は契約の段階で①退去時の原状回復の内容②入居期間中の必要な修繕③契約においての特約事項④修繕及び維持管理に関する連絡先―を、伝える義務があります(居住用だけ適用)。

 一見すると不動産の知識や経験が浅い人を保護するようですが、悪用する業者は少なからずいます。管理会社が特約事項だから借主負担だといって「退去時のルームクリーニングやエアコンクリーニングの費用請求が市場価格より高い」ケースや、「退去時の鍵交換費用」「壁紙や床材をすべて貼り替える費用」「換気扇の交換費用」などの設備関連だけでなく、「退去時の立ち合い費用」などを求められたとの情報が東京民報に寄せられています。「退去立ち合い時に、請求金額が未確定の段階で書面にハンコを押すように強要された」場合もあります。

 大竹弁護士は「原状回復は完全に元に戻すものではありません」と強調します。

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