【読書 今月の本棚と話題】民主主義の実験という物語 『デモクラシーのいろは』 森 絵都 著〈2026年1月18日号〉

 敗戦後、GHQによる日本の大改造が始まった。占領政策の2本柱、日本の非軍事化と民主化。しかし民主化は遅々と進まず、ことに女性のそれが遅れているとして目に見える形で民主化を、という指示のもと「一定期間、安定した衣食住と民主主義教育を与える」実験がなされた。日本の古い価値観を脱ぎ捨て、アメリカの先駆的な考え方や生き方を学ぶのだと。被験者には4人の女性が選ばれた。旧男爵家の娘、GHQで翻訳の仕事をする美央子。農家出身の高等女学校卒だが女中として働く孝子。横浜の洋裁店の娘、空襲で焼け出されダンスホールで働く吉乃。上野の定食屋で働いていたというが実は娼婦らしいヤエ。いずれも20歳前後。教師は日系2世のサクラギ。日系としてアメリカ社会での差別の試練は数々。

2310円(本体+税)
KADOKAWA 2025年
もり・えと 1968年、東京都生まれ。1990年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。『カラフル』『DIVE!!』など著書多数

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