今に生きる対等な交流関係 高麗博物館 「絵で見る朝鮮通信使」展〈2026年5月3,10日合併号〉
- 2026/5/10
- 文化・暮らし
″市民がつくる日本・コリア交流の歴史博物館″ 高麗(こうらい)博物館(新宿区)で4月22日から6月21日まで、企画展「絵で見る朝鮮通信使」原画展が開催されています。
江戸時代に1607年から1811年まで12回、朝鮮から日本に来行し、隣国同士が200年以上にわたり平和で対等な関係を築いた、世界史でも稀有な歴史を象徴する「朝鮮通信使」。その歴史を、温かな絵と言葉で語りかけるのが、2021年に刊行された絵本「朝鮮通信使」です。

この絵本は、通信使の寄港地であった室津(兵庫県たつの市)の市民団体「嶋屋」友の会が、10年の月日をかけて制作したものです。朝鮮通信使研究の第一人者である仲尾宏氏が監修を努め、綱本武雄氏(絵)と柏山泰訓氏(文)が、色彩豊かに繊細に描き出しました。今回、その貴重な原画20点が、公開されています。
同館の岩橋春美さんは、数ある原画の中でも「庶民との交流」を描いた場面が特に好きといいます。「江戸時代の人々にとって、通信使の来日は外国文化に触れる数少ない機会。単なる公式行事ではなく、民衆同士の交わりがあったからこそ、版画や人形などが各地に残され、今も各地で大切にされています」と解説します。

10年という歳月をかけて市民が物語を紡いだ背景には、かつての日本人が抱いた「隣国への好奇心と親愛」がありました。本展で並ぶ原画を通して、現代の私たちが見つめ直すべき、対等で平和な日韓交流の原点が浮かびあがります。










