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「豊かな自然、公園壊すな」 杉並区善福寺川 住宅の真下に巨大トンネル ”都は住民に寄り添って”〈2026年6月14日号〉
- 2026/6/10
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近年、地球温暖化の影響で多発する豪雨災害への対策が急がれています。東京都は「洪水による水害から都民の命と暮らしを守る」ためとして、中小河川の整備を進めています。善福寺川(杉並区)もその一つで、1時間当たり75㍉の降雨に対応するため「善福寺川上流地下調節池」の整備を行おうとしています。ところが地元住民からは都のやり方に疑問が広がっています。なぜなのか―、現地を訪ねました。

あまりに理不尽
「次世代に誇れるようなことになるのであれば、立ち退きも致し方ないという人もいた。しかし東京都のやり方は、あまりにも理不尽だ」。こう憤るのは、調節池整備に伴う取水管理施設の建設のために、周辺約20軒とともに立ち退きを迫られる山口泰とおるさん(79)です。
「3代続く家の立ち退きという重大な事業なのに、地権者への告知も説明も、公聴会もない。都市計画審議会での立ち退きの議論もなかった」と話します。
山口さんが住む西荻北地域は、約100年前の区画整理事業以来、住民と行政の協働によって武蔵野台地の崖線と湧水、巨木など豊かな自然が今も守られています。そこに突然、巨大な地下トンネルや管理棟、取水口を建設するという調節池事業計画がふって湧いたのです(2023年8月)。
歴史的自然環境や景観を壊されることを心配した住民は、地域で愛される公園名にちなんだ「どんぐり公園周辺を考える会」を結成。都に情報公開や住民との説明会などを求めています。会の代表世話人でもある山口さんは「取水口管理棟やトンネル設置の詳細設計の内容、予定地が公有地から民有地に変更になった経緯など、基本的な情報をまず開示してほしい。その上で話し合いをと要望しても都は応えてくれない」と、都の不誠実な対応を訴えます。
ことば 「善福寺川上流地下調節池」の整備計画 都の資料などによると、地下約40㍍に総延長5・8㌔㍍のトンネルを「シールドマシン」で造り、豪雨の際に増水した水を取り込んで一時的に貯留(30万立方㍍)することで、氾濫を防ぐことを目的にしています。工事地域内の関根文化公園、原寺分橋付近、ロケット公園には立ち退きや公園廃止を前提に、大きな貯水施設も建設されます。工期は2041年までで、全体事業費は約1557億円を見込みます。










