都内を網の目のように結ぶ鉄道網は交通のみならず、首都の経済も含めてあらゆる基盤を支える大動脈です。鉄道は10料編成で約3000人も同時に輸送できる基幹交通システムであり、大量輸送を支えるためにこれまで運転士の他、ドアの開閉や車内アナウンスなどを通じて乗客の安全と快適なサポートを行う車掌とが二人三脚で「乗客の安全と快適な移動をサポート」してきました。近年、運転士のみでのワンマン運転化や、無人駅化が都内でも進められています。問題点や安全対策を訴える現場の声を聞きました。
JR東日本では2023年に青梅線の一部区間のワンマン運転導入に始まり、次々と路線を拡大。2025年には常磐線各駅停車への導入を順次広げ、2030年までに山手線などの首都圏の主要路線もワンマン運転化するとしています。地下鉄ではいち早く導入されており、東京メトロ丸の内線では2009年から完全ワンマン化され、南北線、副都心線などの他、今年6月から東京メトロ銀座線でも完全実施に至りました。都営地下鉄では三田線、大江戸線でワンマン化が進んでいます。
こうした中、都内の地上を走る私鉄ではワンマン化を京王競馬場線や京王動物園線(一部)、東武大師線、東武亀戸線、京成金町線など乗降客数が比較的少ない路線から実施していましたが各社、順次拡大の方向を打ち出しています。東急東横線や目黒線など、長大編成路線でも実施されるなど、各社で主要路線を含め検討が進んでいます。

先進技術で安全?
ワンマン化に伴い各社は先進技術を駆使して導入するとしていますが、問題はないのでしょうか。ある私鉄の運転士は問題を指摘します。
「車掌が乗務する際は目視で状況を確認してドアを閉めます。ドアにお客様を挟む事故は命に関わると、教育を受けるほど神経を使う業務です。車内アナウンスも車掌の業務です。駆け込み乗車などの注意も適時行っています」と切り出しました。「ワンマン運転だと運転士が車内、路線、乗降客の状況を瞬時に判断して全ての業務を行うマルチタスクになります。駅のホームは直線ではありません。駅によってカーブの死角もあります。先進技術の導入で死角をカバーするといっても100%補完できるわけではない」と語ります。









