- Home
- Top Stories, インタビュー, 都民運動
- *編集長インタビュー 龍谷大名誉教授 矢作弘さん* NY市長選 勝利の背景に都市富裕化 生活危機で社会主義支持が〈2026年8月9,16日合併号〉
*編集長インタビュー 龍谷大名誉教授 矢作弘さん* NY市長選 勝利の背景に都市富裕化 生活危機で社会主義支持が〈2026年8月9,16日合併号〉
- 2026/8/6
- Top Stories, インタビュー, 都民運動
アメリカと世界の資本主義の中心地というべきニューヨークで、昨年11月に「米民主的社会主義者」(DSA)メンバーのゾーラン・マムダニ氏(34)が市長に当選したニュースは、世界を驚かせました。その背景やマムダニ氏の来歴、政策をまとめた『社会主義都市ニューヨークの誕生』(学芸出版社)を出版した矢作弘さん(龍谷大名誉教授)に、同市政について聞きました。
◇
―マムダニ氏の人物像や政策、それへの批判とマムダニ氏側の反論、ニューヨーク市政の歴史など、全体像がまとまった本です。出版の経緯は?
日経新聞時代はロサンゼルス支局長も務めましたし、研究者としてもアメリカの都市政策を研究して何冊も本を出版してきました。昨年6月の民主党のNY市長選の予備選でマムダニ氏が圧勝して、このまま本選の市長選でも勝つだろうと見込んで、準備を進め、市長選から1カ月余りで出版しました。

製造業から金融に
―ニューヨークが、都市のジェントリフィケーション(中流社会化)で、庶民が住めない街になったことが、今回の選挙結果の背景にあったことを解き明かしています。
もともとニューヨークは、東京でいえば大田区や墨田区のような、製造業の街でした。それが1970年代までに脱工業化で製造業が衰退し、あちこちの工場が閉鎖したり、郊外化による移転が進むなどして、人口が減っていき、市の財政もほぼ、破たんします。ちょうど、新自由主義が席巻した時代だったことも重なり、道路や公共施設、清掃、治安などの公共サービスが後退し、街が荒れたままに放置されていました。
他方で、80年代のレーガン政権は金融の緩和を進めて、ニューヨークを、ロンドン、東京と並ぶ世界のファイナンシャルセンターに位置づけます。
これにより、FIREと呼ばれる、ファイナンス(金融)、インシュアランス(保険)、リアルエステート(証券化された不動産)を扱うマネー資本主義の担い手たちが、ニューヨーク経済の中心になりました。さらに、これらの業界を支える弁護士や、経済コンサル、会計士などの専門職種が街に入ってきます。
こうした富裕層のために、高級アパートや、高級なレストランなどがマンハッタンに整備されて、荒れ果てていた街が、高級化して「再生」される。これがジェントリフィケーションです。ただ、当時は、クイーンズやブルックリンといった周辺地域は、昔ながらの工場や、低所得者向けの住宅が残っていました。
住む家に困る人が
―ものづくりの街から富裕層しか住めない街に、という変化は東京にも重なります。









