国際刑事裁判所(ICC)は、2002年設立の比較的、新しい国際機関です▼戦争犯罪やジェノサイド(集団殺害)、人道への罪などを犯した個人を、国際法に基づいて裁きます。当事国に訴追する意思や能力がなくても、容疑者の国籍が加盟国であれば、捜査・訴追の対象となるなど、法の支配の「最後のとりで」とも呼ばれます▼アメリカのトランプ政権が、ICCの赤根智子所長を制裁対象に加えると発表しました。ICCに加盟していないアメリカは、長年、妨害するなどしてきたものの、ICC幹部を個人として制裁対象にしたことは、トランプ政権による圧力が新たな段階に入ったものです▼高市首相は、トランプ政権の動きに「残念」と述べるにとどまりました。自民党、共産党など超党派の国会議員が入る議連も、高市政権の対応を「諸国に比べて段違いに弱い」と声明で指摘しました▼日本は長年、ICCを支援し、国別で最大の資金拠出国ともなっています。21日には自身の政権運営への批判を意識したのか、サッチャー元首相の「好かれることを目的にしたら、取るべき決断が取れなくなる」という言葉をSNSに投稿した高市氏。トランプ大統領にも厳しい抗議を突きつけることこそ「取るべき決断」でしょう。
東京民報2026年8月30日号より










