〈コラム砂時計〉ヒトラーの生家、警察署に〈2026年9月13日号〉
- 2026/9/12
- コラム・オピニオン

オーストリアでアドルフ・ヒトラーの生家が建て替えられ、今年7月23日、警察署としてお目見えした。場所はザルツブルクの北部、ドイツとの国境に近い、ブラウナウにある3階建て庁舎がそれである。ヒトラーの生家は、ナチス・ドイツの敗北後、オーストリア政府が、元の持ち主から借り上げ、福祉施設として利用してきた。
そんななか、ヒトラーの生家であることを知るネオナチのメンバーらが「ハイル・ヒトラー」の姿勢で写真撮影するなど、右翼団体の「聖地」とされないか、心配する声があった。オーストリアは、ナチス・ドイツ政権下、最初に併合された国として苦い過去を持っている。そうした理由から、ファシズムの再来を許さない〝記念館〟として残す案もあったようだ。
現地のテレビやウェブサイトによると、さまざまな議論の末、取り壊して新たな警察署を建設することを政府が決めた。しかし、地主が売却を拒否、裁判所の決定を経て、政府が接収、2000万ユーロ(約37億円)をかけてようやく完成にこぎつけたという。










