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都が「地域がん登録」事業 7月スタート

がん対策に情報収集は不可欠 共産党都議団が早くから提唱 12/06/29

 東京都は医療機関でがんと診断された患者の情報を収集し、データベースに登録する「地域がん登録」を今年7月から開始します。登録の対象となるのは1月から。
 都内で死亡する年間約10万人のうち、3万人を超える人が「がん」で亡くなっています。がん対策をより効果的に進めるには、「1年間にがんにかかった人の数」「性別や年齢別のがんにかかりやすさ」「生存状況」などの情報収集が不可欠です。
 7月からは、がんにかかったすべての患者(都内在住で都内の医療機関で治療を開始した人)について、がんの病名や治療などに関する情報が、医療機関から「地域がん登録室」に届けられるようになります。都はこれらの情報をもとに、地域でどの位の人ががんにかかっているのか、どのような治療を受けるのかを調査します。
 都では「都内におけるがんの実態を分析することによって、がん検診や効果的な医療計画・予防計画の企画や評価に役立てる」としています。集計・分析した結果は、報告書や都のホームページで公表します。
 がん対策について日本共産党都議団は、欧米諸国と比べ大きく立ち後れているとして、系統的に取り上げてきました。「地域がん登録」事業についても、04年11月の都議会厚生委員会で、かち佳代子都議が、がんの罹患(りかん)数や罹患率が正確に把握されていないと指摘。「毎年どれだけの人ががんにかかって、どういう治療をして、どういう転帰をとったかというようなことが正確に実態が把握されないと、次の方針が出ない」とし、「地域がん登録」などの必要性を訴えました。都側も「がん対策に資する」との認識を示していました。
 その後も、同都議団は予算要望などで繰り返し実現を求めてきました。