都内では大規模に展開している業者がいます
脱法ハウスの募集看板
「倉庫」などの名目で極端に狭いスペースに人を住まわせる「違法貸しルーム(脱法ハウス)」の疑いのある物件が東京の9区1市で96棟にのぼることが明らかになりました(一覧表参照)。住まいの貧困に取り組むネットワーク、国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)が、寄せられた情報を点検・補足調査して集計・分析したものを、11日に発表しました。
建物の内訳は、事務所ビル等21棟、戸建て住宅37棟、マンション38棟で、室数は1100室にのぼります。入居人数は満室の状態で約2000人に達します。
都心部で事務所ビルが多く、周辺区ではマンション、戸建て住宅が多くなっています。
違反の内容は、面積違反(都建築安全条例の居室の床面積は7平方・以上)が最も多く、次いで「間仕切り区画違反」(耐火・準耐火)、「用途変更違反」(事務所ビル、戸建て住宅からの用途変更届け出
等)、「廊下幅員違反」(1・2平方・以上等)などとなっています。窓がないものも多数あるほか、屋根裏を居室にしているものもありました。
賃料は、4平方・強で6万4000円(港区の物件)など、軒並み1平方・1万円を超す異常な高額となっています。
これ以外にも最近寄せられた約50物件の情報が未集約となっています。
住まい連の坂庭国晴代表幹事は「今回の調査は一部。業界などの発表数字から推計するとシェアハウスが全国で1万棟くらいある。そのうち2割が違法ルームで、そこに住んでいる人は少なく見積もっても1万人に及ぶとみられる。そこにどういう人が、なぜ住まなくてはならなかったのか、などの居住の実態調査を早急に行うための準備をしている。それをもとに行政側に相談窓口など、具体的な対策を求めていきたい」と語っています。
(東京民報2013年7月21日号に掲載)