舛添氏の著書「日本新生計画」
2010年5月、講談社刊
東京のまちづくりをどうするかは、都民にとって大きな関心事。石原・猪瀬都政は「都市再生」の名のもと、高層ビルや大型道路の建設を推進し、土地代や家賃高騰を招き、都心から庶民を追い出してきました。この都政の与党、自民・公明が支援する舛添要一候補の政策はどうか。舛添氏が2010年5月に出版した著書「日本新生計画 世界が憧れる2015年のジパング」(講談社)に見ました。
同書は舛添氏が自民党を離党(除名)、「新党改革」を立ち上げ、代表に就任(2010年4月)した直後に出版。10章からなり、住宅政策は第6章「都市・住宅政策で世界最高の暮らしを」に書かれています。
山手線の内側を「超高層縦型都市に改造する」
その目玉としてあげているのが大都市圏を「超高層縦型都市に改造」すること。首都圏に需要に見合う数の賃貸物件が圧倒的に不足しているので、「思い切った都市計画が必要になる」と主張。歴史や文化も違うアメリカ・ニューヨークのマンハッタンを引き合いに出して「日本のように中心地に一軒家がたくさん建っている大都市は珍しい」とのべ、「一部の人が土地を独占するのは公共の観点からいっても望ましくないというのは、至極当然の考え方だ」と決めつけています。
その上で、山手線内側(千代田、港、新宿、文京など)の一軒家の住人に対し「申し訳ないが、この方たちには、協力をお願いしなければならない」、つまり立ち退いてもらい、「そのうえで、大都市圏の中心部は、超高層縦型都市に改造する。超高層ビル、超高層マンションが林立する街に」と述べています。
そのためには「建築規制の緩和、規制撤廃も必要だ」と強調。例として「東京では、少し郊外に行くと、高いビルを建ててはならないなどという規制があり、高層化できない。こうした規制を撤廃し、超高層ビルの建設を可能にする」と説明しています。