知事と対等 チェックの役割 でも「オール与党」では…
地方自治体には、自治体としての意思を決める議会(議決機関)と議会の決定に基づいて事業を執行する自治体の長(執行機関)があります。東京都では都議会(定数127)と都知事にあたり、都議会の構成員である都議と執行機関の長である都知事が都民の選挙で直接選ばれます(二元代表制)。
都議会と都知事は、それぞれ独立の機関で対等の立場にあり、議会は知事をチェックする大事な役割を担います。
都議会は知事、議員から提出された議案などを審議し、可否を決定します。都議会の議決を得なければ、知事は事業を執行できません。議決を必要とする事項(議決事件)は、地方自治法第96条に定められています。主なものには予算、条例、契約、人事、意見書、決議などがあります。
★3月・6月議会に猪瀬知事が提出した190議案に対する各党の賛否
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賛成 |
反対 |
民主党、自民党、公明党、維新の会、みんなの党 |
190 |
0 |
共産党 |
164 |
26 |
議案提案権は11議席以上
予算の提出権は知事にありますが、都議は定数の12分の1の賛成があれば、予算の修正ができる「予算修正動議」が提出できます。都議会の場合、11人以上の賛成が必要です。
また、可決されれば撤回、修正、再提出が求められる「予算組み替え動議」は、一人でも提出することができます。都議会では日本共産党だけが予算議会ごとに、都民要望を実現するための予算組み替え案を提出しています。
都の法律ともいえるのが条例案です。都知事のほか、都議、委員会が提出できます。都議は11人以上の賛成が必要です。
都議の条例提案は、都民要望を実現する大きな力となるものです。共産党が提案権があった前期(05年7月〜09年6月、13人)は23本の条例案を提出。子どもの医療費助成の拡充や小中学校の耐震化助成、政務調査費の公開など、民主、自民、公明などの反対で否決はされたものの、その後、実現した施策も少なくありません。
(東京民報2013年4月7日号に掲載のものに一部加筆)