有料WEB紙面版 2021年12月19日号

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また、主要記事のいくつかを、Web東京民報での公開に先立って、テキストで読むことができます。

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以下は、WEB紙面版のサンプル版( 2021年 12月19日号)です。

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【1面】

  • 都立・公社病院 「廃止・民営化」も 都議会代表質問 独法化で里吉都議が告発
  • 都立病院 公社病院 独法化中止を何としても 都議会棟にコール響く
  • 同性パートナーシップ制度 都が来年度導入へ
  • 新型コロナ感染 都内の状況
  • コラム・一分
01s

【2面】

  • 痴漢・盗撮 「被害者に寄り添い対策を」都議会一般質問で福手都議
  • ジェンダー平等 施策の基本に 里吉都議が代表質問
  • 横田オスプレイ 館山に緊急着陸 半年で6機中半数、異常事態
  • JALは解決に踏み出して 不当解雇から11年を前に宣伝
  • 真珠湾攻撃から80年 赤紙を配り宣伝
  • 武蔵野市 住民投票条例案 委員会1人差で可決
  • フラッシュ
02s

【3面】

  • 都市計画は街壊しの暴挙 北区73号線 行政寄りの判決に批判
  • 違法性判断なく却下判決 石神井まちづくり訴訟 来春に再度提訴へ
  • とうきょう人
  • 「教室の風」お兄さんお姉さんの姿
  • 【連載コラム】東京都の気候対策②目標達成のプロセスを
  • とうきょうクロスワード335 まちがいさがし ポカポ家族 前回の回答と当選者
  • 詰碁・詰将棋 問題と前回解答
  • 街角情報
03s

【4面】

  • 読書 今月の本棚と話題
  • ふるさとスケッチ14   初冬シリーズ➁初冬の八海山 絵・文 吉田信夫(画家・元都議)
  • みんなの広場
  • パシャ
  • 4コママンガ みんみんファミリー
04s

◆テキスト版◆

 以下に、各面のトップ記事などを一部、テキスト版で公開しています。

1面 都立・公社病院「廃止・民営化」も 都議会代表質問 独法化で里吉都議が告発 ジェンダーの視点あらゆる施策に 気候危機、若者の危機感共有を

 東京都が押し進める都立病院・公社病院の地方独立行政法人化で病院の「廃止・民営化」を含めた定期的見直しが求められることを7日、日本共産党の里吉ゆみ都議が代表質問で告発しました。独法化の理由として小池百合子知事が「行政的医療を将来も続けるため」としていた説明との矛盾が浮き彫りになった形で、説明責任が問われます。

 都は9月都議会で地方独立行政法人「東京都立病院機構」の法人定款を提出し、自民、都民ファースト、公明、維新などの賛成多数で可決しました。都は独法化の理由について「行政的医療を安定的・継続的に提供していくため」「(都立病院の役割は)民間医療機関だけでは対応が困難な行政的医療の提供であり、この役割は独法化しても変わりません」(都ホームページ)などと説明しています。

 ところが「地方独立行政法人」法30条では、3~5年ごとに業務継続や組織存続を検討し、業務・組織の廃止などの措置を講ずるよう規定しています。総務省は「廃止・民営化を含めた定期的見直し」を行う条文だとしており、都立・公社病院が将来、「廃止・民営化」される可能性があるのです。

「独法」法で見直し規定

里吉都議はこうした問題を示した上で、「都立・公社病院の独法化には、この30条は適用されないのか」とただしました。西山智之病院経営本部長は「(独法化で設立される)東京都立病院機構には同法第30条の規定が適用される」と明言。「(独法の)業務の継続や組織の存続など全般にわたる検討を明示的に定め、必要に応じて所要の措置を講じることを趣旨としている」とのべました。

 里吉都議は独法化で採算性の低い精神病床を段階的に7割削減した国立精神・神経医療研究センターや、160床以上に病床を削減する一方、差額ベッドを大増床した都の健康長寿医療センター、独法化10年目に突然、県内の公的病院との統合・再編方針を発表した宮城県立病院などの事例をあげ、公立病院とは異なり「見直しの最大の指標にされるのは、効率性や採算性だ」と指摘しました。

住民・議会の関与は弱く

 里吉氏は独立性を優先する独法化で、住民や議会の関与が弱くなるとして、「独法化で住民監査請求や住民訴訟の対象外となるのではないか」と質問。西山本部長はそれらの規定はないと認めながら、都の財政支出は住民監査請求の対象、中期計画認可の議会の議決があるなどとごまかしました。

 里吉都議は小池知事の所信表明で、コロナ禍であらわになった構造的な課題はデジタル化の遅れだとのべたことに関連して、知事には「東京と日本の医療のぜい弱さがコロナ禍であらわとなった構造的な課題」という認識がないと批判。「そのことが、かけがえのない都立・公社病院を強引に独法化しようとしていることにつながっている」とのべ、独法化の中止を重ねて求めました。

ジェンダー平等 施策の基本に

 コロナ禍で明らかになった女性への影響は、自殺や失業、DVの増加、ひとり親、若年女性、単身女性の状態の深刻化など、多岐にわたります。

 里吉都議は「コロナ禍の直接的影響だけでなく、日本の構造的な問題となっているジェンダー不平等が背景にあるという認識はあるか」と質問。「ジェンダーの視点をあらゆる政策や施策の基本にすえる『ジェンダー主流化』が、国連をはじめ世界の流れになっている」とのべ、性犯罪・性暴力被害者を支援する、病院支援型を含むワンストップ支援センターの拡充を求めました。

 小池知事の答弁はなく、武市玲子生活文化局長が「政策や施策の企画、立案の段階から、男女平等参画の視点をもって進めることは重要」と答えました。

困窮支援策

 国民健康保険運営協議会で、法定外繰り入れを行わない場合、都内の一人当たり国保料が、来年度9.4%も上がり、17万2155円にもなる試算が示されています。里吉都議は「都として一般財源を投入し、国保料・税の引き上げにならない手立てをとることが必要だ」と迫りました。

 また来年度から未就学児の均等割保険料が5割削減されることに触れ、都市長会が都独自の軽減措置を要望し、都も国に対象拡大を求めているとのべ、「率先して都として拡充すべきだ」と、要求。中村倫治福祉保健局長は、子どもの均等割軽減について「国が責任をもって対応すべきもの」と、都民要望に背を向けました。

 里吉都議はさらに、コロナ禍から都民の暮らしを守る支援策として、国の住居確保給付金を都独自に支給期間(1年間)の制限をなくし支給上限額を引き上げる、都営住宅の4年間で2万戸規模の増設、中小・小規模事業者などへの都独自の支援などを提起しました。

気候危機打開

 里吉都議は若者たちが気候危機の打開に向けて行動に立ち上がっていることを紹介し、「若者たちの危機感を共有しているか」と、知事の認識を質問。都が本気で脱炭素化を目指すというなら、知事が先頭に立ち、全庁一体となって取り組む局横断の気候危機対策本部をつくり、気候危機対策予算を抜本的に増やすべきだと提起しました。

 その上で既存都有施設への太陽光パネル設置の促進、市区町村所有施設への太陽光パネル設置への自治体支援、「東京ゼロエミ住宅」(都独自に定めた断熱材や窓を用い、省エネ家電を取り入れた住宅)導入促進事業の来年度予算の増額、拡充などを提案しました。

 小池知事は「気候危機への対処は一刻の猶予も許されないもの」「都民、企業、行政等あらゆる主体に行動の加速を呼びかけ、ゼロエミッション東京を実現していく」と答えました。

東京ベイ戦略

 都が発表した「東京ベイまちづくり戦略」のたたき台で示された、東京・千葉を結ぶ第2東京湾岸道路建設、築地、有明、お台場など臨海地域の巨大開発計画について、里吉都議は巨大な無駄遣いだと批判。巨大開発はいったん動き出すと容易に止めることはできないとし、臨海副都心開発の大失敗の総括もせずに、バラ色に描くことはやめるべきだと主張しました。

 同戦略はIR(カジノを中核とする統合型リゾート)誘致を含む都の官民連携チームの提案も参考にするとしており、里吉都議のカジノの具体化も考えているのかとの質問に、小池知事は答えませんでした。

 里吉都議はこの他、子ども・若者への支援、教育施策、防災対策、米軍の基地対策、外環道とリニア新幹線の工事、情報公開について質問しました。

2面 痴漢・盗撮 「被害者に寄り添い対策を」都議会一般質問で福手都議

 8日開かれた都議会本会議の一般質問には、各会派から12人が質問。日本共産党からは福手ゆう子都議が初めて本会議質問に立ち、共産党議員団が11月に行った痴漢・盗撮被害アンケートに寄せられた実態を示し、被害者に寄り添った対策の強化を都に求めました。

 同アンケートは「電車内や駅構内での痴漢」「盗撮」被害をインターネットで調査したもので、10日間で約1200人が回答。「ワンピースのボタンの隙間から指を入れられて太ももを触られた」「スカートの下から女性器に指を入れられた」などの深刻な被害の他、駅や警察対応の改善要望が多数寄せられました。

 福手都議はこうしたアンケートで寄せられた被害や声を紹介。「盗撮被害も痴漢被害も深刻な性犯罪、あってはならない人権侵害だ」と強調。鉄道や駅が女性にとってリスクの高い性犯罪スポットになっているとして、都営交通での実態把握や女性専用車両の拡大、被害者が希望する性別の警察官による対応の徹底、女性の声を反映したポスターの作成などを求めました。

 内藤淳都交通局長は「痴漢や盗撮は犯罪であり、被害に遭われた方の心に一生の傷を負わせることにもなりかねない行為であり、決して許されるものではない」と答弁。

 大石吉彦警視総監は「被害者が望む性別の警察官による対応ができるよう性犯罪捜査を担当する係への女性警官の配置等の取り組みを推進しており、今後も被害者の心情に配慮した取り組みを行っていく」としました。

 福手都議は電車通学の子どもが日常的に被害にさらされていることをあげ、人権教育の充実や相談場所の設置、教職員の研修など、学校での子どもに寄り添った対応を求めました。

都営住宅の増設

 福手都議は、低家賃の賃貸住宅が少ない文京区で、身体状況や所得に応じた住まいが探せない状況があるのに、都営住宅戸数が少なすぎると指摘。住み慣れた地域で住み続けられるよう、建て替え時に戸数を増やすよう求めました。

 榎本雅人住宅政策本部長は「既存ストックを有効に活用しながら、適切に建替事業を行っていく」とのべるにとどめました。

3面 都市計画は街壊しの暴挙 北区73号線 行政寄りの判決に批判

 北区十条の住民ら120人が原告となり、東京都に対して特定整備路線補助73号線道路事業の認可取り消しを求める行政訴訟で、東京地裁は13日、原告の請求を棄却する判決を言い渡しました。120人中40人に原告適格を認めながらも、原告側の主張をことごとく退ける結果となりました。

 補助73号線は、現道のない北区十条台2丁目から十条仲原2丁目に、約890メートル(幅員20~30メートル)の道路を整備する計画。2015年2月に事業認可され、住民らが17年8月に提訴しました。

 十条は補助73号線の整備にあわせ、高さ約146メートルのタワーマンションを含む大規模複合型施設を建てる「十条駅西口地区市街地再開発事業」、補助85号線の拡幅などが計画されています。これによりJR埼京線十条駅周辺では600軒、2100人の立ち退きが迫られており、都内有数の商店街「十条銀座商店街」の衰退も危惧。住民らは「街壊し」「暴挙ともいえる開発」と訴え、計画の見直しを求めて声を上げています。

 閉廷後の報告集会では、弁護団の大谷恭子弁護士が判決について解説。争点のひとつ、1946年の都市計画決定は内閣の認可がないなど不明瞭な点があり、関係図面が現存せず都市計画と事業認可が適切なのか疑問があると繰り返し主張してきた原告団に対し、地裁は「違法とはいえない」と判断しました。

 大谷弁護士は、行政訴訟は裁量権が行政側に大きくあるが、人権に関わること、住民の生活に大きな影響を与える場合には「司法も積極的に介入すべき」と主張。「司法さえも行政の判断に謙抑的(控えめにすること)になると、人権を守る最後のとりでの裁判所は、何をどこでどう判断してくれるのか」と司法の姿勢に疑問をのべました。

 報告集会に出席した日本共産党の曽根はじめ都議は、「特定整備路線の計画は10年オーバーしている。皆さんのたたかいで、都市計画は通用しないことを証明してきた」と激励。同党の山添拓参院議員も駆け付け、「住民無視で街を壊すようなやり方が、街づくりの名のもとで進められていいのか」と訴え。「コロナ禍で困っている人たちに給付金を配るべきだと、私たちは主張してきた。国民の命や暮らしを守るためのお金はバラまきだと批判する行政が、道路建設などには巨額の税金を使う。行政のあり方がそもそもおかしい」と力を込めました。

 最後に、原告団長の岩波建光氏があいさつ。「予想通り不当判決が出た。私たちが立ち退きさえしなければ、道路はできない。最後の一軒になっても私は動かない。だって悔しいじゃない。生きているうちは頑張ろう」と会場を盛り上げました。

 上告については、近日中に判断する予定です。

4面 読書 今月の本棚と話題

 

日本社会の病毒に迫る

コロナ後の世界内田樹 著

  新型コロナによるパンデミックで可視化された日本社会の「病毒」に迫った論考です。

 「隣組と攻撃性」では、外出自粛要請を受け、市民が市民を攻撃する「自粛警察」等を論じます。これは、「そういうことが許される社会的な空気」を彼らが感知しているからであり、戦地で人間はとてつもなく残虐になれるというのに似ているといいます。嫌韓・嫌中等の国際的ヘイトもこの流れであり「自分は正義を執行している」と思っているのだと指摘します。

 安倍政権の7年8カ月の総括として「知性と倫理性を著しく欠いた首相が長期に政権にあったせいで、国力が著しく衰微した時代」だと答えています。「人間は他者からの敬意を糧にして生きる存在である」。しかし、安倍政権は「自分だけ、自分の縁故者だけ」「今だけ」のために権力を乱用しました。このように尊敬されない国家は国民にとって「生きている気がしない国」になっているのです。

 「Ⅱ揺らぐ国際社会」では、米大統領選挙の総括の中で、アメリカが19世紀末まで世界の社会主義運動の中心地であったことなど意外な事実も紹介されています。また、「中国はこれからどうなるのか?」の論考は、地政学的・歴史的な中国論です。日本でのジャーナリズムの論調とは異なったユニークな視点から中国を論じています。

 「Ⅲ反知性主義と時間」では、菅政権による日本学術会議新会員任命拒否問題を取り上げ、「今回の暴挙は我が国の学術的発信力を劣化させる」と警鐘を鳴らしています。その目的は、政府の方針に反対する者の口をふさぐことによる「統治コストの最小化」。権力運営が新自由主義的な経済運営と軌を一にする方針により貫かれていることを見抜いています。こうした、統治者の反知性的態度は、「日本にはもう国家目標がない」という痛苦な事実に由来することを指摘します。

 幅広くかつ歴史を踏まえた深い思索から、今日の日本について「なるほど」と腑に落ちる多くの貴重な考察がちりばめられています。

 少し難しいかもしれませんが、「精読」したい本です。(松原定雄・フリーライター)

文芸春秋社 2021年
1500円+税
うちだ・たつる 
1950年生まれ。神戸女学院大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論など

米軍支配の理不尽を告発

 共同創作ヘイタイのいる村鈴木実・高橋徳義・植松要作・笠原俊雄・槇仙一郎著

この本は戦後、アメリカの占領統治下で、米軍の砲撃用演習地として土地を接収された山形県村山市戸沢地区の住民の悲惨な現実を描いた児童小説です。

 アメリカはアジア支配の為、アジアでの戦争を視野に入れ、自由に射撃訓練できる所を探し、戸沢地区など約4700ヘクタールを接収し、3カ所に砲座を設置した大高根射撃場を建設。昼夜を問わず砲撃を開始したのです。

 すでに戦争が終わったのに、弾道下の村―「ヘイタイのいる村」となってしまったのです。

 自然が豊かでのどかな戸沢村は一転して、山、野原、家々、人々の上を砲弾が飛び交い、炭焼き小屋、民家、田畑を襲い、住民が不発弾で爆死するという危険な地域に変貌しました。そのリアルな姿を子どもの目・耳・心で描きだしています。

 この小説は、1958年、地元の青年5人による共同創作として、山形県の地方紙である中奥日報(現・山形新聞)に連載されたものです。

 そのスクラップが昨年63年ぶりに発見され、この戦後直後の米軍による「民族的屈辱の歴史」を「風化してはならない」と、山形童話の会が中心となり、刊行会を立ち上げ、出版されました。

 児童小説ですが、大人でも読みごたえがある心に迫る作品です。

 登場する一人ひとりの子どもたちは性格も多様で喧嘩もしますが、銃弾が飛び交う生活の中で、その理不尽に気が付きます。

 子どもたちで毎年行っていた「ミテシレ会」(「見て、知れ」とのことで、劇や踊り・歌、絵などの作品を発表する会)が、米軍の砲弾練習のために中止しなくてはならない事態となり、団結していきます。

 沖縄の辺野古米軍新基地建設反対闘争や横田基地問題の重要性を深く認識させてくれる著作です。この小説を原作とした児童文学『山が泣いてる』は1961年に第一回日本児童文学者協会賞を受賞しています。

 連絡はあすなろ書店神町店0237(47)0099まで。(柏木新・話芸史研究家)

北の風出版 2021年
2000円+税
〈すずき・みのる〉〈たかはし・とくよし〉〈うえまつ・ようさく〉〈ささはら・としお〉〈まき・せんいちろう〉共同創作

輝き続ける美しい言葉

サンタクロースっているんでしょうか? 子どもの質問にこたえて中村妙子 訳 東逸子 画

 クリスマスの季節になりました。この行事はなんと私たちの生活に定着してしまったことでしょう。今回は、とっても古いけれどダイヤモンドのように輝き続ける小さな本を紹介します。

 1897年のある日、ニューヨーク・サン新聞社に一通の手紙が届きました。こんな文面で。

 「きしゃさま。あたしは八つです。あたしの友だちに、サンタクロースなんかいないんだっていっている子がいます。パパにきいたら、サンしんぶんにといあわせてごらん、しんぶんしゃでサンタクロースがいるというなら、そりゃもうたしかにいるんだろうよ、といいました。ですから、おねがいです。おしえてください。サンタクロースってほんとにいるんでしょうか? バージニア=オハンロン」

 新聞社の編集長はフランシス=P=チャーチ記者にこの子への返事を社説に書いてみないかと言いました。そしてその社説が小さな美しい本になりました。

 記者はこんなふうに語りかけます。

 ―サンタクロースなんていない、というあなたの友だちは間違っています。それはうたぐりや根性のせいでしょう。うたぐりやは心がせまいため、自分のわからないことはうそだと決めているのです。けれども人間が頭で考えることなんて限られています。宇宙は限りなく広く、人間の知恵はありのように小さい。その小さい世界でわたしたちが深い世界を推し量るには大きな深い知恵が必要なのです。この世の中に、愛や人への思いやりや、まごころがあるのと同じように、サンタクロースもたしかにいるのです。

 ―もし、サンタクロースがいなければどんなに暗く寂しいでしょう、人生の苦しみを和らげてくれる子どもらしい信頼も詩もロマンスも無くなってしまうでしょう。

 ―この世でいちばん大切なものは目に見えないものなのです。ただ信頼と想像力と詩と愛とロマンスだけが見せてくれるのです。

 なんて美しい言葉でしょう。そして新聞社という存在がこんなにも信頼されていたのかと驚きです。ぜひ、全文を味わってみてください。(なかしまのぶこ・元図書館員)

偕成社 2019年改訂版
800円+税
なかむら・たえこ=翻訳家。あずま・いつこ=イラストレーター、作家

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#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
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