「新しい政治つくるとき」 首相が任期途中の辞意表明 共産党が各地で訴え〈9月6日号より〉
- 2020/8/31
- 衆院選2021
安倍晋三首相は8月28日、首相官邸で記者会見し、持病の潰瘍性大腸炎の再発により、「病気と治療を抱え、体力が万全でない。国民の負託に自信を持って応えられる状態ではなくなった」と述べ、辞意を表明しました。新型コロナウイルスの感染拡大を抑える対応、経済や国民生活の立て直しをはじめ、政権運営が深刻な行き詰まりを見せる中、来年9月までの自民党総裁任期を1年間残しての辞任です。
安倍首相の第2次政権での在任期間は7年8カ月余りで、24日に歴代最長を記録したばかりでした。第1次政権に続く、任期途中での辞任です。
会見で安倍氏は、任期中の成果として、集団的自衛権の行使を可能にした安保法制=戦争法の制定などをあげました。
繰り返し意欲を示した「任期中の改憲」については、「残念ながら、国民的な世論が十分に盛り上がらなかった」と発言。その一方、「誰が総裁になっても取り組んでいかれるだろう」として、次期政権に引き継がせることへの意欲を示しました。
森友・加計問題、「桜を見る会」などの国政私物化疑惑をめぐっては、「政権を私物化したというつもりは全くない。国会で長時間、答弁している」と否定しました。
日本共産党は、辞任表明を受け、都内各地で街頭演説などの訴えに取り組みました。
文京区では29日、、小石川のスーパー前で、ほその真理衆院東京2区予定候補、福手ゆう子都議予定候補らが緊急の街頭宣伝。市民と野党の連合政権を作ってこそ、立憲主義を回復し、政治の私物化を克服できるとして、自公政権からの転換を訴えました。
辞職で終わりじゃない コメディアン 松元ヒロさん
安倍首相は、「体調が悪化した」ことを理由に辞めましたが、「国政が悪化した」時にこそ、辞めてほしかった。国民のことを本当に考えているなら、この7年8カ月の間に、辞めるべきタイミングが、たくさんあったと思います。
体調不良は数カ月前から、はっきりしていたというのに、佐藤栄作さんの在任記録を抜くまで、辞任を表明しなかったことも、最後まで国民中心ではなく、自分中心の人だったんだと、あきれます。
我が家の道路に面した壁にずっと貼っている「アベ政治を許さない」のポスターに、カミさんが「辞めても!!」と、手書きで一言、書き加えていました。
辞職で終わりではありません。何か問題が起きるたびに「責任を痛感する」と言い続けたのに、一度も取らなかった責任を、きちんと取ってもらわなくてはいけません。
安倍首相は、ずっと改憲を目指してきたのに、ついに強行できませんでした。けれども、自民党が改憲をあきらめたわけではないので、ふんどしを締めなおさなくては。 辞任表明の後にあったライブでも、「憲法くん」(日本国憲法を人間に見立てた一人芝居)をやってくれと言われました。みなさんも同じ気持ちなんだと思います。
コロナ禍のなか、世界のみんなが仲良く協力して、情報を共有して、ワクチンも早く作ろう。これこそ、日本国憲法の精神ではないでしょうか。
アベ政治を引き継ごうとする人たちの中でのたらい回しではなく、憲法を生かす政治に変えることが、いま本当に大切だと思います。
(東京民報2020年9月6日号より)