安倍政治の決着、総選挙で 共産党都委 衆院候補が合同会見 「比例3議席絶対に」〈9月13日号より〉

 日本共産党東京都委員会は8日、記者会見を開き、安倍晋三首相の辞意表明を受けて、いつ行われてもおかしくない総選挙の小選挙区予定候補6氏(交代1人含む)を新たに発表しました。同党の都内予定候補者は、比例代表4人、小選挙区14人(重複立候補3人を含む)となります。会見後、各候補者らは新宿駅西口で志位和夫委員長とともに街頭演説に立ち、自民党政治の根本的転換を訴えました。

 会見に臨んだ田辺良彦都委員長は「自民党政治を終わりにしないと、政治の行き詰まりから抜け出すことはできない。何としても総選挙で政権交代を実現したい」と意気込みを語りました。

記者会見で総選挙での躍進と、共闘勝利へ決意を語る田辺氏=8日、新宿区

本気の共闘を発展

 田辺氏は記者会見で安倍晋三首相の辞意表明について、「まぎれもなく自民党・公明党政治の行き詰まりの結果だ」と指摘。自民党総裁選にふれ「自民党には日本の政治の行き詰まりから立て直していく意志も力もないことがはっきりしてきた」と指摘。「市民と野党の共闘を『野党連合政権』を目指す共闘に発展させ、日本共産党の躍進と市民と野党の共闘の勝利で政権交代を実現し、自公政権に終止符を打つために全力を尽くす」と決意を語りました。

 総選挙の目標について田辺氏は、比例代表110万票以上、得票率20%以上で、14年に獲得した3議席を絶対確保し、4議席を目指すと表明。さらに「今度こそ小選挙区で議席を獲得したい。候補者を擁立しない選挙区でも、市民と野党の共闘で自民・公明とその補完勢力を少数に追い込むために全力を尽くす」と強調。都知事選や都議補選、区長選で積み上げた野党共闘の前進を紹介し、「野党連合政権をつくっていくという点でも合意し、本気の共闘、相互支援の共闘に発展させたい」と語りました。

 小選挙区予定候補14人の平均年齢は39・7歳、前回46・0歳から6・3歳若くなり、男女比では女性が35・7%で前回23・5%から12・2%増えています。

街頭演説では予定候補が決意を表明し、志位委員長が共産党躍進、市民と野党共闘の勝利で、野党連合政権を実現させようと呼びかけました=9月8日、新宿駅西口

新しい政治つくる衆院選 日本共産党衆院議員 笠井亮さん

 安倍晋三首相の任期途中の辞任表明(8月28日)を受け、政治情勢は大激動を迎えています。安倍政権の7年8カ月と今回の辞任をどう見るか―国会議員として21年間、これまで10人の首相と論戦を繰り広げ、安倍首相とも毎年の予算委員会などの場で対峙してきた、日本共産党の笠井亮衆院議員(比例東京ブロック選出)に緊急インタビューしました。

 ―病気を理由にした、突然の辞任でした。

 私は国会の事務所でオンラインで会議中でした。事務所のメンバーが「大変です、安倍さんが辞めます」と第一報を伝えてくれて…。永田町にも衝撃が走りました。

 安倍政治に代わる新しい政治をどうつくるか、この秋、解散・総選挙ぶくみで問われる激動の時代がいよいよ始まりました。

 2日、3日に衆参の予算委員会の閉会中審査がありましたが、その場にも安倍首相は出てきませんでした。16日に国会で新首相の首班指名という段取りですが、自民党、公明党は、新首相の所信表明も代表質問もなしで、国会を閉じようとしています。コロナ禍への対応をはじめ、国会で論じるべき課題は山積で、そんな対応は許されません。

共闘の質が高まり

 ―国会論戦では、安倍政権に7年8カ月にわたり対峙してきました。

 安倍政権は、内政でも外交でも深刻な行き詰まりを見せていた上に、コロナ危機には場当たりの対応で、検査の拡大による封じ込めなどの根本的な対策をとってきませんでした。

 毎年の予算委員会で論戦してきた実感として、国民の多数が反対することを押し切る民意無視ばかりで、「良いこと」といえるようなことは、何もなかった、それが安倍政治でした。

共闘の発展が嬉しいと話す笠井氏

 なかでも、安保法制(戦争法)と、そのための集団的自衛権行使容認の閣議決定は最悪の「負の遺産」です。国のあり方を根本から覆し、戦後政治の破壊者となりました。

 集団的自衛権行使容認をめぐっては、予算委員会での質疑で私が、閣議決定により、これまで自衛隊はいかないとされてきた「戦闘地域」への派兵が可能になると指摘したのに対し、首相は自衛隊の活動地域が「戦闘行為の現場になる可能性はある」と平然と認めてしまったのです。

 憲法9条のもとでできないとされていたことを、一内閣の判断でできることに変えてしまう。こういう「憲法の私物化」が、モリ・カケ・サクラなど、あらゆる面での政治のモラルハザード(倫理崩壊)と、国政私物化につながりました。

 ―2015年の戦争法の強行を受けて、市民と野党の共闘が広がりました。

 安倍政治のもとで、国民にとって唯一、良かったのは、市民と野党の共闘が生まれ、育ってきたことでしょう。

 今回の国会でも、何かあると野党の国会対策委員長がすぐ集まって対応を協議したり、さまざまな問題で野党合同ヒアリング(聞き取り)や、共同の法案づくりをするなど、結束して取り組んできました。

 持続化給付金事業の電通への丸投げ委託の問題では、私も質問に立った質疑の前の日、野党の質問者が集まり、互いにどんな角度で追及するか、打ち合わせまでやったんです。どんな材料を持っているか、どういう質問を何十分やりたいか、交流して、どう真実を明らかにさせるか、知恵を絞る。共闘が、今までより、はるかにグレードアップしてきたのは、とてもうれしいことです。

安倍なき安倍政治

 ―信頼関係の深まりですね。

 こうした共闘の深化の根本には、日本共産党に対する信頼の高まりがあります。国会でも、各地でも、野党の人たちからは、「共産党はぶれないで筋を通す」「調査能力が抜群で、理路整然としている」「見習いたい」と声を掛けられます。

 そして、その背景には、コロナ禍のもとで、国民からの共産党への新たな注目の広がりがあるのだと感じます。

 給付金に関する私の質問に、ある方はツイッター(短文投稿サイト)に、「笠井議員の質疑は、人格否定をしないので大好きです。どんなに刀みたいに核心を突いても、相手の尊厳だけは絶対におとしめない。国会に興味を持ったきっかけが笠井議員で私は本当に恵まれていたと思う」と書き込んでくれました。議員冥利に尽きるコメントです。

 この方は、その後、さらに、「共産党議員は、そういう方が多い。理路整然としていて清々しい」と書いてくれました。コロナ禍のもとで、こういう新たな形で、共産党に注目してくれる方々が、たくさんおられるのではないでしょうか。

 ―早期の総選挙も取りざたされています。

 総裁選では、自民党内から安倍政権への礼賛の声ばかりが聞こえます。自己責任を押し付ける新自由主義への反省もなく、「安倍なき安倍政治」以外の選択肢が生まれてこない、それが自民党政治そのものの深刻な行き詰まりです。

 誰が後継の首相になっても、選挙の審判も受けず、行き詰まった政治をそのまま続けようというのでは、さらに不安定な政権になります。

 総選挙はいつあってもおかしくありません。市民と野党の共闘を大きく発展させ、安倍政治との決着は、総選挙でつける。そのために、私自身、全力を挙げます。

(東京民報2020年9月13日号より)

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