核兵器禁止条約参加の日本に 日本原水協が院内集会〈10月4日号より〉

 原水爆禁止日本協議会(日本原水協)は9月25日、衆議院議員会館において「核兵器禁止条約に参加する政治の実現をめざす院内集会」を行いました。集会は核兵器廃絶国際デーの関連企画として、パネル討論を中心に開催。「核兵器禁止条約に参加する日本を―被爆国にふさわしい政治に転換を」をテーマに、日本平和委員会の千坂純事務局長がコーディネーターを務めました。

 核兵器禁止条約を支持する政党・国会議員による第1部のパネル討論では、日本共産党の井上哲士参院議員、れいわ新選組から辻村ちひろ氏(衆院東京8区支部長)が参加しました。

 広島の高校を母校とする井上参院議員は、平和教育を受けた経験から切り出しました。

パネル討論で話す(左から)千坂、井上、辻村の各氏=9月25日、千代田区

 「コロナ禍でウイルスと戦う上で軍事力は役に立たない。韓国ではF35戦闘機の導入を延期してコロナ対策に予算を充てる。国連総会では世界的停戦を呼びかけ130カ国が支持した」と紹介。

 「世界の動きは大きくとらえて展望がある。その中で日本の役割が重要になっている。安倍前首相は核保有国と非保有国の橋渡しになると言ったが、核抑止力が根にあるために何もできていない。核兵器の被害さえ(黒い雨訴訟などで)小さく見せようとしている。全ての核兵器をなくす立場に立たないといけない」と強調しました。

 その上で、「安倍政治を進めるとした菅総理に、敵のミサイル基地などを直接攻撃する“敵基地攻撃能力を保有するべきだ”という最後の安倍談話を国会の中で野党が連携して追及する」と決意を語りました。

 辻村氏は「核兵器廃絶運動の発祥で、松本善明元日本共産党衆院議員の地元、杉並区で育った」ことから話を始めました。自らが自然保護運動と反戦イベントに注力した経験に触れ「日本は残念ながら人権意識が低い。政治だけではなく、国民が“自分に関係ない”として関心が薄くなる」として、水俣病問題や黒い雨訴訟の原爆症で国の認定基準が厳しすぎて、症状があっても救われない被害者について触れました。

条約発効で核は悪に

 第2部は安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)から、法政大学の山口二郎教授、日本被団協の木戸季市事務局長、日本原水協の土田弥生事務局次長が登壇。

 山口教授は市民連合の要望書をもち各政党に申し入れしていることに触れ、「今回、初めて要望書に核兵器禁止条約をただちに批准することを盛り込んだ」と口火を切り、「政権交代は絵空事ではなく実現に近い。残るは国民民主党で10月の協議で理解を求める。(被爆国である)日本が動けば世界は動く」と訴えました。

 木戸事務局長は「核兵器禁止条約は発効されるとものすごい力を発揮する。条約は“核は悪”だという世界的確認で、使用が困難になる」として、「日本政府には憲法を守ってほしい。やることが反対で、なぜ戦争をする方向の政策を打ち出すのか。核抑止力論は核脅し論です」と批判しました。

 また、会場からの「署名がマンネリ化しているように感じている」との声に、「2005年、2010年のNPT再検討会議の際に会場近くの公園に積み上げられている様子を議長が見に来て感激していた」という話が出され、署名の力を再確認する場面もありました。

 集会では立憲民主党の塩村あやか参院議員があいさつし、森本真治参院議員が連帯のメッセージを寄せました。

(東京民報2020年10月4日号より)

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