家賃支援 「迅速、柔軟に届けて」 給付件数3割にとどまる〈10月4日号より〉

 国が7月から始めた、新型コロナ禍の影響で売り上げが減った中小業者を支援する「家賃支援給付金」(末尾に、ことば)が、必要な業者に届かないケースが相次いでいます。申請を支援する税理士などからは「もっと申請しやすく、早く支給できる制度にしてほしい」と声が上がります。日本共産党の笠井亮衆院議員(衆院経済産業委員、比例東京ブロック選出)は9月23日、中小企業庁に改善を要請しました。

中小企業庁の担当者に要請する(前列左から)尾崎、笠井、星見の各氏=9月23日、千代田区

 同給付金の給付件数は16万件で、申請件数49万件に対し、3割にとどまり(9月18日現在)、申請から支給まで時間がかかりすぎると苦情が寄せられています。申請の手続きが複雑になるケースも多く、申請自体をあきらめている業者も多いと見られます。

 要請には、地域で業者の相談にのる税理士、東京土建の役員らも参加し、「求められる書類が煩雑で提出が遅れるうえ、再提出を求められることも多い。手続きを簡素化し、支給を早めてほしい」と実情を訴えました。

 中小企業庁の担当者は、給付の迅速化や、コールセンターの対応改善について「できる限り努力したい」と答えました。

 笠井氏は、「売り上げ減で家賃支払いの見込みが立たないなど、多くの業者がコロナ禍で苦しんでいる。事業の継続を支援するという制度の趣旨に立ち返り、柔軟で迅速な対応が必要だ」と求めました。

 尾崎あや子、星見てい子の両都議も同席しました。

「本業大変なのに手間が」

 要請に同席した、世田谷税経センターの税理士は、地域の民主商工会の相談会などで、さまざまな業者から相談を受けています。

 「書類をきちんと揃えても、かなりのケースで再提出を求められる。修正の指示もあいまいです。コロナで本業が大変になっている業者が、それ以外のところで手間を取られているのは、本末転倒」と指摘します。

 申請で特に重要となるのが、不動産契約が継続していることを証明する書類です。ところが、それが申請の大きなネックに。契約書と支払いの実績が合わない場合が出やすいのです。契約時の大家が亡くなったり、不動産を売却して別の大家に変わっている場合や、家賃が変更されている場合、さらに家賃で大家ともめている場合など、多様なケースがあります。

 国は契約書と、支払い金額や大家が違う場合は、大家に追加の書類を書いてもらうなどの対応を求めています。

 要請の場で業者の実態を伝えた東京土建目黒支部のメンバーは、「大家が高齢だったり、遠くに住んでいたり、さまざまな事情で、必要な書類がそろえられないケースも多くあります。柔軟な対応が必要だ」と強調します。

 税理士は、「不正受給は防がなければいけませんが、チェックにどんな影響があるのかわからないことで、書類の再提出を求められることも多い。持続化給付金でやっているように、軽微なことなら国側で訂正するなど、支払いの実績が確認できれば、迅速に支払えるようにしてほしい」と強調します。

ことば 家賃支援給付金

 緊急事態宣言等によって、売り上げが急減した事業者の事業継続を下支えするため、地代・家賃の負担を軽減することが目的。5~12月のいずれかで1カ月の売り上げが前年同月比50%以上減少、または3カ月の売り上げ合計が前年同期比30%以上減少した場合に申請できる。給付額は中小企業、小規模事業者で最大600万円、個人事業者で最大300万円。

(東京民報2020年10月4日号より)

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