政権交代 誰もが大切にされる政治に ジェンダー平等 相次ぐ否定発言 差別と分断、許さない 日本共産党前衆院議員池内さおりさんに聞く〈10月18日号より〉

 性犯罪に関する杉田水脈衆院議員の「女性はいくらでも嘘をつける」という被害者差別発言、自民党の足立区議による同性愛が広がると「区が滅びる」という敵視発言など、ジェンダー平等をめぐる自民党政治の時代錯誤が次々と明らかになっています。日本共産党前衆院議員の池内さおりさん(東京12区予定候補、比例重複)は、同党都委員会のジェンダー平等委員会の責任者を務めています。一連の発言をどう見るか、総選挙への決意と合わせて聞きました。

 ―杉田水脈氏の「女性は嘘をつける」という発言をどう聞きましたか。

 性暴力というテーマそのものに、被害者を黙らせることで、なかったことにしてきた歴史があります。被害者は語る言葉を持てず、無力化されてきました。杉田氏の発言は、女性差別やセカンドレイプを乗りこえ語り始めた女性たちをまたしても黙らせようというもので、絶対に許せません。

街頭宣伝に勢ぞろいした5人の比例候補。池内氏は左から2人目=9日、豊島区

 杉田氏は、「慰安婦」問題にも攻撃を繰り返してきました。「慰安婦」問題は、アジアの女性たちへの重大な犯罪であるとともに、日本という国が女性の身体をどう扱ってきたかという問題でもあります。

 1945年8月18日、東久邇宮内閣が敗戦後に最初にやったのが、RAAという米軍用の特殊慰安施設をつくることでした。「良家の子女を守る」という名目で各県の警察に通知を出し、貧しい女性たちを集めた。根は日本軍性奴隷制と同じ問題です。

 日本では、こうした性暴力や性搾取の被害が、ほとんど語られてきませんでした。性暴力に抗議するフラワーデモは、被害を受けた女性たちが語り始めた、奇跡的な出来事です。日本社会の質的な変化であり、とどまることはないでしょう。杉田氏の発言はそうした未来への道を阻むものです。

ジェンダー考えるパンフレット発行

 ―自民党の足立区議が「L(レズビアン)やG(ゲイ)ばかりになったら足立区が滅んでしまう」と発言しました。

 あるトランスジェンダーの友人が教えてくれて動画をみて、耳を疑うようでした。私も「これはアウト!」と発信したら、瞬く間に拡散されました。

ジェンダーをめぐる世界の動向や最新の情報なども盛り込んだパンフレット

 発言した区議は「自分も共産党の発言を聞くと不快だ」と言っていますが、差別と、快・不快という好き嫌いは全く別です。

 同性カップルが、自分たちの写真と一緒に「#私たちはここにいる」と発信する反撃が広がっています。多様な愛の形を認めることは、社会の幸せの総量を増やすもので、それで自治体が滅びるなどあり得ません。

 ―共産党都委員会でジェンダー平等委員会の責任者を務めています。

 ジェンダー平等は、私たちの社会の価値観を問い直して、より人間的な方向に変えていく取り組みです。まずは党員や地方議員の皆さんに、ジェンダー平等への感覚を持ってもらおうと、様々な学習会を開いてきました。

 私が、各地で話している内容をまとめたパンフレットもつくりました(写真)。ジェンダー差別がどこから生まれ、何をもたらしているのか、コロナ禍で女性や子どもたちの抱えている困難、世界の性的搾取に対する取り組みなど、現在の焦点になっているテーマを盛り込んだものです。

 ジェンダーについて語り合う集いでも、使ってもらえる内容です。また、比例候補としての私の、ジェンダー平等への政策も紹介しています。ぜひ、たくさんの人に手に取ってほしいと思います。

政治を身近に感じ居場所になるよう

 ―地元小選挙区の12区で、誰でも集いやすい選挙事務所「12ハウス」を作りました。

 政治をなかなか身近に感じられず、難しいとか堅苦しいと思ってしまう人たちが多くいます。

 スポーツジムなら、入会して会費を払って全く通わなかったら、多くの人がすごく損をしていると思うでしょう。私たちは税金を強制的に取られている。その使い方にあまりに無頓着だったら、スポーツジムとは比べものにならない影響を受けてしまう。人生の選択肢を狭められています。政治はよりよい居場所をつくるためのものだからあきらめないで、みんなで声をあげようよと呼びかけ続けたい。

 そのためには、政治の側が外に開いていくスタンスが大事だと思います。12ハウスはガラス張りで、誰でも立ち寄り歓迎です。いつも何か楽し気にやっていて、そこに自分の居場所があると感じてもらえる、そんな事務所になってきた手ごたえを感じています。

 ―12区候補として、比例代表候補として、決意をお願いします。

 街頭宣伝をやると、街の反応の熱さは、驚くほどです。声かけがすごく多かったり、ビラの受け取りがすごくよかったり。子どもに「池内さおりー」って叫ばれたり(笑)。

 25日には、初めて立憲民主党の北区議、うすい愛子さんにも参加してもらい、同性パートナーシップを語り合うイベントを開きます。

 もっともっと力を込めて、野党連合政権をつくろうと訴えを広げ、政権交代へ頑張り抜きます。

比例5氏が勢ぞろい宣伝

 「政権交代で政治を変えよう」―日本共産党全国・全都労働者後援会は9日、豊島区の池袋駅前で街頭宣伝を行い、衆院比例東京ブロックの5人の予定候補が勢ぞろいして訴えました。

 台風接近による雨の中、「政権交代」と大きなパネルを掲げた宣伝に注目が集まりました。

 5日に候補者発表されたばかりの坂井和歌子氏は、コロナ禍で苦しむ人たちから寄せられた切実な声を紹介し、「政権交代で、誰もが大切にされる政治を実現しよう」と訴えました。

 宮本徹衆院議員は「学術会議の会員候補の任命拒否は、日本の学問の自由、民主主義の危機だ。みんなで声をあげよう」と呼びかけました。笠井亮衆院議員は、「今度の総選挙には日本の針路がかかっている。戦争法、消費税増税、原発推進などを進めた自公政権に“千倍返し”しよう。野党連合政権の実現と、日本共産党の躍進を」と訴えました。

 全都後援会の荻原淳氏、全国後援会の黒澤幸一氏も訴えました。

(東京民報2020年10月18日号より)

関連記事

最近の記事

  1. 1面2面3面4面5面6面 【1面】 余暇と遊びは基本的権利 子どもの権利条約 批准から3…
  2.  待機児童、介護離職、残業、都道電柱、満員電車、多摩格差、ペット殺処分。こう聞いて、すぐに共通点が…
  3.  「裏金事件」で自民党への批判と怒りが大きく広がるなか、公職選挙法違反事件で有罪が確定した柿沢未途…
  4. 球場とラグビー場の再生案を発表した会=10日、豊島区  神宮球場と秩父宮ラグビー場を取り壊し…
  5.  今年1月に起きた日本航空機と海上保安庁機の衝突事故をうけて11日、日本航空被解雇者労働組合(JH…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る