調布市 外環工事地上部が陥没 振動、異変の指摘も強行〈10月25日号より〉

 閑静な住宅街で日曜日に戦慄が走りました。18日、調布市東つつじケ丘の市道が幅5㍍、深さ5㍍程陥没し、接する住宅の車庫のスロープ板も落下し水道管も露出しました(現在は仮復旧済)。

 この地域は現在施工中の東京外かく環状道路(東京外環)の大深度地下工事の直上で、住民が振動と騒音に悩まされています(東京民報10月18日号既報)。東京外環工事は、住宅密集地の真下40㍍以深の地下トンネルで結ぶ、超難関工事。住民は施工前から繰り返し不安を訴えており、現在工事差し止めを東京地裁で争っています。

陥没は5メートルにも及ぶ深さに=調布市

 住民は工事の開始に「陥没など事故の際の避難計画」などを要求してきましたが、国交省、NEXCO東日本・中日本(高速道路会社)は「地上には影響ない」として工事を強行。現場付近地下を掘削するシールドマシンは9月12日頃に通過後、10月も振動と騒音が続いていました。しかし、NEXCO東日本は「我慢して欲しい」と住民に言うだけでした。

 事故は朝8時40分頃に住民の「くぼみがある」との通報により、NEXCO東日本が地表を確認。正午前に地盤が陥没しました。ドーンという音が2回あり、陥没穴はみるみる大きくなりました。近隣住民が「毎日通る道だが、事故前夜にくぼんでいる気がした」と話しています。

 また、事前説明での約束にあった事故の際の「避難誘導の広報車」による周知も全くありませんでした。

 付近では事故前から外壁の亀裂や住宅との接道部分の隙間や沈下などの声がありましたが、これまでNEXCO東日本は「相当因果関係が確認できない」としてきました。

陥没直後に駆け付けた宮本議員=18日、調布市

 日本共産党の宮本徹衆院議員は20日、国交省に聞き取りを実施。提出した事故対応の資料はNEXCO東日本の報告のみであり、実際と相違があることが現地関係者の説明で明らかになりました。また、異常時の認識が「トンネル内の土砂の流入」など、住民の安全を最優先させたものでないことも露呈しました。聞き取りには笠井亮衆院議員、山添拓参院議員の他、地元の地方議員も参加しました。

(東京民報2020年10月25日号より)

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