教育の自由取り戻そう 「君が代」強制反対で集会〈11月1日号より〉
- 2020/10/28
- 労働・市民
学校の卒業式、入学式などで「日の丸・君が代」への起立・斉唱を教職員に求めた、都教育委員会の「10・23通達」(2003年)の撤回を求める「学校に自由と人権を」集会が10月25日、千代田区で開かれました。教職員組合や、同通達による被処分者ら10団体が大同団結して主催したものです。
「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の近藤徹さんは、主催者あいさつで、今年3月、コロナ感染拡大防止のために卒業式を短時間で開く際も、「『君が代』斉唱はするよう求めた都教委の姿勢に、命と健康よりも『君が代』優先かと、大きな批判が起こった」と紹介。「学校現場に憲法、人権、民主主義を取り戻し、教育の自由をよみがえらせるために、粘り強くたたかおう」と語りました。
精神科医の香山リカさんが、「いま子どもと考える人権と平和」と題して講演しました。
香山さんは、安倍政権の8年間で、「政権に批判的な意見などを『中立じゃない』と攻撃する流れや、すぐに利益を生まないものを『生産性』がないと軽視する流れが、非常に強まった」と指摘。「若い人たちが、収入や『生産性』などに関係なく、『生きていていいんだ』と思えるよう、生きる意味、生きる力を取り戻せる社会にすることが、緊急の課題だ」と語りました。
強制反対の第五次訴訟の原告予定者の教員二人が発言しました。男性教員は、ギターを手に、自作の歌で10・23通達から17年で変化した学校現場の実態を報告。女性教員は、「これまでの裁判では『戒告』は取り消されてこなかったが、戒告は決して軽い処分ではない。これまでの裁判を引き継ぎ、みんなの裁判としてたたかいたい」と決意を語りました。
学術会議任命拒否 岡田氏が特別発言
集会では、日本学術会議会員への任命を菅政権に拒否された岡田正則・早稲田大学教授が特別発言しました。岡田氏は、「日の丸・君が代」強制反対訴訟で、鑑定意見書を出し、原告側証人として法廷にも立ってきました。
岡田氏は「いつもは『裏方』なのに、突然、表舞台に引きずり出された。学術会議の問題でも、『日の丸・君が代』強制でも、政権や一部のメディアは『一部の、秩序を乱そうとする人たちの問題』という構図をつくろうとしている」と批判しました。
(東京民報2020年11月1日号より)