加齢性難聴 広がる補聴器補助 新たに3自治体 11区1村に〈11月15日号より〉

 高齢者の加齢による難聴への補聴器補助を実施する都内自治体が広がっています。今年度から足立区、文京区、利島村が新たに実施を開始し、すでに実施していた中央、大田、豊島、江東、墨田、千代田、葛飾、新宿、江戸川の各区と合わせて、11区1村となりました(表)。日本共産党都議団の論戦や都民の要求で、区市町村への支援について都は前向きな対応を示しています。

 補聴器補助については現在、都の「高齢社会対策区市町村包括補助事業」の中で、「障害者の補装具としての補聴器支給対象者は除く」「年齢制限、所得制限など対象が限定されていること」など一定の条件のもとで、条件に見合った補聴器購入補助をしている自治体を対象に、経費の2分の1を都が補助しています。都の補助を受けるかどうかは、自治体の判断としています。

 12実施自治体のうち、新宿、墨田、江東、豊島の4区が都の補助を受けており、新たに文京、大田、足立、利島は都と協議しています(10月20日現在)。

 中央、葛飾、江戸川、千代田の4区は都からの補助は受けないで独自に実施しています。このうち千代田区は、年齢規定を設けずに、上限助成額5万円で実施しています。

難聴は認知症のリスク要因

 65歳以上の高齢者の半数は、難聴があると国の研究機関の調査で推定されています。2017年の国際アルツハイマー病会議では、「認知症の約35%は予防可能な9つの要因により起こると考えられる。その中では難聴が最大のリスク要因である」と発表しました(ランセット国際委員会)。厚生労働省の認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)でも、難聴は危険因子の一つとされています。

共産党都議団が開いた「高齢期のきこえの支援を考える学習会」=2019年11月16日、新宿区

 一方、多くの専門家は早めに補聴器を使用することで、生活の質を上げたり社会生活を送る上での障害を取り除くことが可能だとの見解を示しています。WHO(世界保健機構)は、聴力が中等度難聴の41デシベル以上の場合は補聴器の使用を推奨しています。都の担当者も「早期からの補聴器の使用は、日常生活の質の向上を図る上で有効である」(池川友一都議の一般質問への福祉保健局長答弁=19年6月)と認めています。

 しかし補聴器の値段が高額なことが、なかなか手が出せない理由になっています。共産党都議団のアンケート結果(19年6月)では、片耳使用者を含む平均購入額は約27万円でした。補聴器を使用してみようと思う動機になるトップは「購入費補助制度」でした。

施策拡充を求める

 国の購入補助はあるものの、障害認定によるもので(原則自己負担1割)、両耳聴力が70デシベル以上などかなり重い難聴でなければ障害認定されません。補助制度の実施自治体の拡大と補助内容の拡充が求められています。

 また補聴器は、機器の様々な調整と脳が補聴器の音に訓練され、音を聞き取れるようにするトレーニングを一体的に行う必要があります。それを行うのが「認定補聴器技能者」ですが、身近な地域に少ないのも補聴器を普及してく上で、大きな課題となっています。

 日本共産党の都議団や区市町村議員団は、補聴器購入への補助創設や制度の拡充とあわせ、都民が補聴器相談医や認定補聴器技能者にアクセスしやすくすることなど、「聞こえのバリアフリー」への施策拡充を求めています。

(東京民報2020年11月15日号より)

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