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恐怖、住んでいられるか 東京外環 新たな地下空洞 「誰が責任取ってくれる」〈11月29日号より〉
- 2020/11/24
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東名高速道路と関越自動車道をつなぐ東京外かく環状道路(東京外環道)の大深度地下トンネル工事地点直上の調布市東つつじが丘2丁目で21日、新たな地下空洞(幅約3㍍、厚さ約4㍍、長さ約27㍍)が発見されました。10月18日の道路陥没、2日の地下空洞発見に続き3度目の事態に地域住民からは「怖くて住んでいられない。東京外環道工事の影響としか思えない」など、不安の声がさらに広がっています。

東京外環道沿線地域住民で作る外環ネットによる「外環道・陥没事故緊急報告集会」が行われていた21日午後8時半過ぎに、「新たな陥没発見」の第一報が入ったと女性は語ります。今回、空洞が発見されたのは陥没事故現場から南側に1区画先の生活道路の地下4㍍の地点で、女性宅の前付近の市道下です。
NEXCO(高速道路会社)東日本は陥没事故の調査のため、地域でボーリング調査を進めていました。21日午後2時頃、調査のために地中に打ち込んでいた杭が抵抗なくスッと抜ける箇所を発見。前回の地下空洞発見時と同様の現象のため、午後7時よりレーザースキャンでの調査を開始したといいます。
山添拓参院議員の問い合わせにNEXCO東日本は「夜になるので不安な方には避難できるよう案内した。近隣7軒に伝えた。レーザースキャンで調査中。判明すればすぐ明らかにする」と午後9時頃に回答しています。一報を受け日本共産党の原田あきら都議、調布市議が現場に赴き、翌22日に宮本徹衆院議員と里吉ゆみ都議が調査に行きました。
住民は「外環プロジェクトのホームページに情報が公開されたのは、22日の午前1時半頃だった。地上に住む者への告知が遅い」と怒りを抑えられません。
調査の情報示して
今回の空洞の地上部に住むジャーナリストの丸山重威さんは、眠れない夜を過ごしたと語りました。丸山さんは「22日の午前2時頃にNEXCO東日本が説明に来た。調布市でも住民を守るために出来ることはあるはずだ。市長は、どういうことが起きているかNEXCOから聞き取り知らせるべき」と憤ります。

先ほどの女性は「NEXCO東日本は、怖かったらホテルを用意できますと言われました。とりあえず、(近隣)7軒で避難した人は聞いていません」と言います。
近所に住む住民は「NEXCOの誰が住民の問合せに対応するのかはっきりしない。何が起きているのか全く不明。どこまで原因究明が進んでいて、どうなるのか知らされない。不安に応えるのなら調査経過などを公開すべきだし、住民に寄り添うというなら声を聞く場を速やかに用意すべきだ」と訴えます。
また、近隣に住む女性は「避難勧告とかなくて、落ちたら誰が責任を取ってくれるのか。安全と言うなら地上の住宅を全部買い取って、(外環トンネル検討有識者会議の)小泉(淳)委員長や、国交省、NEXCOの職員が住めば良いのよ」と怒りをにじませました。
工事再開はあり得ない
今回の地下空洞は東京外環道の地下トンネルの直上で、陥没事故と前回の空洞発見現場と近接しています(図)。市道のボーリング調査は行われていますが、住宅の下は調査できないため住民の不安は頂点に達しています。

NEXCO東日本は新たな空洞発見以降も、「地表面の異常は確認していない。工事との因果関係を究明していく」などと公表していますが、工事に起因するとの懸念を払しょくできていません。
岸本なお子調布市議は「怒り心頭です。人員を増やし、トンネル地上すべての調査を急ぐべき。外環道推進派の議員でさえ『さすがにこれはダメだ』と言い、住民の安全確保の点で一致している。このままでの工事再開はあり得ません」と語気を強めました。
(東京民報2020年11月29日号より)